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蒼き夢の果てに
第3章 白き浮遊島(うきしま)
第25話 余計な決闘立会人
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その前に。

 シルフに音声結界で山賊たちを包み込んで置く。もっとも、ジョルジュの魔法で完全に眠らされているはずなので、このままでも問題ないとは思いますが、それでも念の為の処置としては当然でしょう。

 時空結界は、流石に、ジョルジュくん相手とは言え、知られる訳には行かない技能ですから。

「それで。山賊たちの目的は、単なる物取りやったのか?
 それとも……」

 先ず、質問はここから開始すべきですか。そう考え、最初の問いを口にする。
 可能性としては、大きな隊商でも襲えるほどの戦力を擁した上に、兵の配置が三次元的に配置されていた以上、単なる物取りとも思えないのですが……。

 ただ、それにしては、あの連中は魔法を使用して来る事は有りませんでした。
 確かに崖の上から弓で狙える位置に陣を張り、更に地上に伏兵を配していましたから、それなりの戦闘経験は有るのかも知れませんが、上空からは、その陣構え自体が丸見えでした。

 魔法と言う攻撃力は持たない。それに、上空から接近して来る存在からは丸見えの陣構えでは、この世界の常識から推測すると、あまり戦闘集団としては上等な部類ではないと思うのですが。

「彼らは単なる山賊などではなく、傭兵でした。今日の昼、何者かに雇われた」

 ジョルジュが、大地に蔦で縛り上げられた状態で転がされて居る山賊を見つめながらそう答える。

 成るほど、傭兵崩れの山賊などではなく、現在進行形の傭兵だったと言う事ですか。
 そして、傭兵で有ると言う事は、彼らを何らかの理由で雇った存在が居る。そう言う事か。

「それで、その山賊を装った傭兵たちの目的は、一体何やったんや?」

 そうしたら、次はこの質問の番でしょう。
 もっとも、この山賊を装った傭兵どもが、タバサや俺達を狙って兵を伏せていたとは思えない、と考えながら、なのですが。

 その理由については、タバサを無傷で捕らえようとして放たれた白い仮面を被った連中は、明らかにあの山賊を装った傭兵連中よりは能力が高い存在でしたから。あの黒ずくめの暗殺者達でもどうにもならなかった相手に対して、人海戦術で対処する、と言うのは悪い方向では無いとは思いますが、それにしては、同時に投入する人数が少な過ぎるとも思います。

 ……だとすると、彼らの目的は。

「ミス・ヴァリエールが持っているはずの密書を奪う事が目的だったようです」

 ほぼ俺の想定通りの答えを返して来るジョルジュ。

 成るほど、矢張りそう成りますか。ただ、ラ・ロシェールを通る以外にもアルビオンに渡るルートが有る場合は、そちらの方にも手を打っているか、それともこのルートだけをピンポイントで狙って来たかによって状況が変わって来ますね。

 それにしても、ルイズはアンリエ
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