暁 〜小説投稿サイト〜
蒼き夢の果てに
第3章 白き浮遊島(うきしま)
第25話 余計な決闘立会人
[1/15]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話
 ルイズ様御一行を送り出し、その襲撃の渓谷に残るのは俺、タバサ、そしてジョルジュくんの三人と成りました。
 時刻は大体夜の七時。ほんの少しだけずれた二重の月が地上を見下ろし、辺りは多くの松明によって照らされている非常に明るい空間と成っていた。

 尚、キュルケには俺達の泊まる宿の部屋の手配だけをお願いして置きました。

 ただ、そんな必要など無かったとは思いますけどね。キュルケも、わざわざ自分一人がルイズ達に同行させられる理由は即時に理解出来たと思いますから。もっとも、俺達と離れている間に、キュルケがどの程度の情報を収集出来るかは判りませんし、彼女に対して、ルイズがこの任務の目的を話してくれるとは思えないのですが。

 キュルケが貴族ならば、ルイズも貴族。そして、二人の間には、国境線が引かれて居る事を、二人は嫌と言うほど認識して居るはずですから。

 そして、ルイズ様御一行にはハルファスが監視役として付いて行っているので、彼女達が泊まる宿は直ぐに判るとは思います。ですが、流石に同じ宿に泊まる事が確実に出来るとは限りませんから。
 まして、夜遅くに成ってからの宿探しは流石に面倒ですし、それに、ルイズ達一行の護衛と言う観点から言っても、宿が離れてしまうと色々と不都合な事も起きて来る可能性も有ります。

 もっとも、あの連中が泊まる宿ですから、この世界的にはトップレベルの宿屋のはずです。故に、宿泊料金などの関係で平民が泊まる宿とは一線を画するはずですから、空き室がないなどと言う状況にはならないとも思うのですけどね。

 この時代、中世ヨーロッパの宿屋と言うのは、男女が別々の部屋に成るとは限りません。まして、ベッドにしても、ノミやシラミなどの虫が当たり前に存在していますし、宿が混雑していたのなら、一人にひとつずつベッドが用意される訳でも有りませんから。
 それドコロか、見も知らない他人との相部屋さえも当たり前のはずです。
 まして、貴族であるルイズたちは二,三日に一度の入浴を行いますが、平民に果たしてそのような習慣が有るかと言うと……。

 このような状況ですから、おそらく貴族。それも、公爵家の姫君と、このトリステインの大貴族のお坊ちゃまギーシュくんの二人を含む一行ですから、あのラ・ロシェールの街で一番良い宿に泊まるとは思うのですけどね、俺は。

 一応、これも、転ばぬ先の杖、と言う事ですよ。

 さてと。そうしたら、これから兵士たちがここに遣って来るまでの間に、山賊たちから聞き出した情報をジョルジュくんから聞く必要が有りますか。ジョルジュくんの能力を使用したら、魔法に対する耐性がかなり高くない限り、知っている限りの情報をぶちまける事と成るはずです。これは、かなり信頼度の高い情報が得られているはずですよ。

 おっと、
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ