追想〜虚しき決着〜
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第四層の森。ウドに似た巨木が立ち並ぶ最新部に紛れる巨木の洞が奴らのアジトだった。大きな収入が入ったからだろうか、見張りの人数が六人と思ったより多かった。しかし、そんな事で攻めあぐねるようではPKKギルドは名乗れない。隠蔽(ハイディング)スキルを上げていたキリトを筆頭に数人が奇襲で全員消した。
「よし、いくら奴らが鈍くとも直に気づくはずだ。一気に突入して叩くぞ」
恐らく、見付かり難さだけを考えてここを根城にしたのだろう。素人に対してならこの策は有効だろうが、しかし意外にもこの手のアジトはセキュリティが甘い。その上、入口に見張りを立たせる事でその隠匿性を台無しにしていた。よほど余裕が有るのか・・・・・・・・或いは、愚かなだけなのか。
「さぁて、審判は降された。・・・・・・・・皆殺しだ」
血みどろの殲滅戦が始まった。
「ヒィィィィ!」
全員が俺達に気付き、武器を構える前に悲鳴を上げた。やはり金儲けだけが目的の下巣ギルドのようだ。そんな奴らに彼ら彼女らは殺されたのか、と遅巻きながら怒りが現れた。その怒りに身を任せ、俺は腰の二本の短剣を抜き放った。漆黒のエフェクトが線を引く。
「め、滅殺剣だ・・・・・・・・滅殺剣が来たぞぉぉぉぉ!!」
悲鳴が更に拡がっていく。それはそうだろうな、PKKを専門にしてるユニークスキル使いが目の前で自分達を殺そうとしてるんだからな。
「手前ぇらは・・・・・・・・・!手前ぇらだけはぁぁぁぁぁぁ!」
特に獅子奮迅の闘いをしているのはキリトだった。斬る、斬る、斬る斬る。斬る斬る斬る。ありとあらゆる色彩の輝きがオレンジ共を斬り刻んでいき、吹き飛ばす。
「い、嫌だ・・・・・・・・・死にたくな・・・・・・・・・」
今更醜く命乞いをしてきた。その姿に激しく吐き気が催される。
「今更遅ぇよ、クズ共が」
トンッ・・・・・・・・と軽い音と共に首は刈り取られ、命乞いをした男はこの世界から永久に退場した。
逆手に持った短剣が心臓を抉る。切り払いが喉笛を斬り裂く。突きが鳩尾・・・・・・・・・いや正確には肝臓か。を貫く。柄での殴打が頭頂部を叩き割る。ここまでが一つのソードスキル。一撃につき確実に一人、急所を攻撃され息絶えていた。滅殺剣四連撃スキル「ヤグルシュ」。
・・・・・・・・・まぁ、俺の攻撃が全て一撃必殺なのにもちゃんとした理由が有るんだがな。滅殺剣固有スキル<急所一撃>(クリティカルブレイク)一撃一撃が、的確に対象の急所を貫くのだ。
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