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SAO─戦士達の物語
ALO編
六十六話 旅立ちの空
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グルトの眼は良く似ていた。

『つーか良く覚えてんなぁ……俺』
 自分の相変わらずの記憶力に驚いていると、暗い光を眼に湛えて黙り込んだリーファの前に、キリトが出た。

「仲間は、アイテムじゃないぜ」
「え……?」
 こういうときに言いたくなる言葉が二つある。一つは……

『この馬鹿……』
 シグルトが不快そうな目線をキリトに向ける。

「何だと……?」
 もう一つは……

「他のプレイヤーを、あんたの大事な剣や鎧みたいに、装備欄にロックしとく事は出来ないって意味だよ。シグルトさん」
『よく言ったぜ。馬鹿野郎……』
「きっ……貴様っ!」
 この言葉にシグルトは図星だったらしく、直ぐに顔を真っ赤に染めて腰の剣に手を伸ばす。

『っといけねぇ……』
 そこへ即座に、リョウが割り込む。

「まーまーまー、落ち着いて下さいな。弟の非礼はお詫びします。けどこちらも色々とある物で……先ずはその剣から手を離していただきたく……」
 リョウが高速でそう言うと、シグルトは突然横から出てきたリョウをいぶかしげに見た後、なんとか柄から手を離してくれた。

「と、とりあえず確認させてくださいシグルトさん。シグルトさんは、リーファに貴方のパーティを抜けてほしく無いと、そう言う事ですよね?」
「……その通りだ。こちらのパーティが、リーファの勝手な行動でデメリットを受ける事は看過出来ん」
「成程……ではそれは、リーファにもとから伝えてあった事ですか?」
「何だと……?」
 飄々とした様子でそう言ったリョウに、シグルトは睨むような視線を向けて来るが、無視して続ける。

「いえね。ただ貴方方が、リーファに初めから「勝手にパーティを抜けないように」と言う旨を伝えており、なおかつ彼女がそれに納得したと仰るなら、彼女は確かに勝手でしょう。ですから、そこのところはどうなのかと、お伺いしているわけです」
 「みなさんいかがです?」と確認を取るリョウの視線から、シグルト以外のパーティメンバーは眼をそらす。予想通りだった。
しかしシグルトはなおも力で押し通そうとする。

「そんなことはどうでも良い。それにこれは我らの問題だ。部外者は引っ込んでいてもらおう」
「いやぁそれは……何分彼女がいないと我々も困る身でして……」
「貴様らの事情なと、こちらの知った事ではない」
「ならテメェのその訳わかんねぇ事情も、俺たちの知ったこっちゃねぇっつーんだよ」
「な……に?」
 急に口調のかわったリョウに、シグルトは驚いたように目を見開いて言う。

「碌な理由もなしに他人を一か所に縛り付けて良いわきゃねぇだろうが。女引きこんどきてぇならもっとマシな理由持ってこいや。そこら辺で適当に見つけた奴誘う連中の方がまだまともな勧誘やってんぞ」
「こ
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