ALO編
六十六話 旅立ちの空
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る棚へと向かってしまった。
後には唖然としたリーファと、いまだに苦笑したままのキリトが残されている。
「えーっと……リョウってあれで普通なんだよね?何なの?あれ」
「なんて言うか……物事の型に当てはまらない人なんだよ……昔から」
「型にはまらないのは君もだけどね」
「うっ……」
結局その後数分して、リーファ達の買い物は終わった。
────
「よし!それじゃこれで、準備完了だね!」
「あぁ。旅するには十分だ……これからしばらく、宜しく。リーファ、兄貴」
「まっかせなさい!」
「おうよ」
リーファが二コリと。リョウが二ヤリと笑うのを見て、キリトも顔を綻ばせる。
そこに、キリトの胸ポケットから顔を出したユイが、ジト目を向けてきた。
「パパ〜?私もいるですよ〜?」
「おっと。ごめんユイ。忘れてたわけじゃないから!な?」
「むぅ……仲間はずれは酷いです〜」
「ははっ、分かった分かった!ほれユイ坊、手ぇ出せ」
すねた様子のユイにキリトが困った顔をしているのを見て、笑いながらリョウがユイに声をかける。
そっぽを向いていたユイが振り向くと、そこには虚空に向かって掌を地面と水平に突き出しているリョウが居た。キリトが意図を察したように、リョウの手の上に手を重ね、リーファも理解してそれに続く。そこまで来てようやく意図を察したユイは、三人の手の近くに飛んで行ってその小さな手を重ねる。
代表して、リーファが声を出す。
「それじゃ、頑張りましょう!目指すは……」
「「「「世界樹!」」」」
────
リーファを先頭とした三人は初めに、シルフ領の正面出口ではなく、スイルベーンで最も高い建物であり、街のシンボルでもある《風の塔》へと向かった。リーファ曰く、長距離を飛ぶときには原則的に、高度を稼げる背の高い建物から飛び立つのが基本らしい。
リョウの方は多少なり調べているとはいえ、地理も勝手も分からないのは結局二人共であるため、リーファの案内に従って巨大な翡翠の塔へと向かう。
塔の中、一階は商業区画であるらしく、円形のロビーを取り囲む壁に所狭しとショップが並んでいる。中央には二本のエレベーターらしきものが設置され、ひっきりなしに人が出入りしている。ちなみに、この世界では今は朝だが、ALOの時間は16時間を一日の周期とするため現実と必ずしも外の景色が一致しているわけではない。視界の端には、リアルタイムとアルヴヘイム時間の二つが両方表示されていて、現実世界では今は夕方だ。ゆえに、人もそれなりに多い。
『ありゃあ差し詰め、魔法のエレベーターってところか』
世界観を壊さずに言うのならそういうものなのだろうとリョウが思っていると、扉の開いた右側のエレベーターに向かってリーファが駆けだした。置い
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