ALO編
六十六話 旅立ちの空
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行こうか!」
リーファの指示に従い、屋上のロケーターストーンと言う石碑で戻り位置をセーブして、三人は翅を広げる。
「準備は良い?」
「おう」
「あぁ」
「はいっ!」
リョウ、キリト、そして彼の胸のピクシーが返事をしたのを確認して……いざ離陸──
「り、リーファちゃん!」
することなく、呼び止められたリーファが振り向く。そこには三人とも見知った弱気そうな顔の少年がいた。
「あ、レコン」
「あ。じゃないよ〜。一声かけてから出発してくれてもいいじゃない」
「ごめんごめん。忘れてた〜」
ガクッ。と肩を落とすレコン。しかし直ぐに顔を上げると、何気に真剣な顔でリーファに問いかける。
リーファちゃん、パーティ抜けたんだって?」
「ん……まぁ殆ど勢いだったけど、いつかはそうするつもりだったからね。あんたはどうするの?」
「きまってるじゃない。この剣はリーファちゃんだけにささげてるんだから」
「おっ!言うじゃねぇかレコン」
「えー、別にいらない」
リョウに背中を押されて少し照れた様子のレコンだったが、次のリーファの言葉で再び肩を落とす。しかしやっぱりすぐに立ち直ると……
「ま、まぁそういうわけだから当然、僕もついて行くよ!……と言いたいところなんだけど、ちょっと気になる事が有るから、それを調べきってからにするよ」
「……なにを?」
「うーん、まだ確証はないんだけどね……とりあえず、僕はまだあのパーティに残るよ──キリトさん、リョウさん」
レコンはそう言って、今度男性陣に向き直る。なんだか真面目な顔だ。
「彼女、自分からトラブルに飛び込んでいく癖が有るんで、気を付けてくださいね」
「あ、ああ。分かった」
「おう。まかせな」
二人がどこか面白がっているように頷く。
「あ、それとキリトさん。彼女は僕のンギャバ!?」
意味不明な語尾は、リーファが彼の足を思いっきり踏みつけた事によって出た物であることを、ここに記しておく。
「余計な事言わなくて良いのよ!しばらく中立域に居るから、なんかあったらメールね!」
早口でまくしたてるように言うと、リーファはすぐに空中に飛び上がる。彼に向って大きく右手を振りながら、叫ぶ。
「あたしがいなくても、随意飛行の練習はちゃんとしなさいよ!あと、一人でサラマンダー領に近づいたりしたら駄目だからね!じゃね!」
「り、リーファちゃんも元気で!直ぐ追いかけるからね!リョウさん!彼女の事、よろしくお願いしまーす!」
「コラァァ!」
「はっはっ!あぁ!次会ったらまた色々話そうな!」
最後のコラァはリーファのもので、そのあとはリョウだ。リアルなら直ぐに学校出会えるのだが、なんとなく別れの湿っぽさのようなものが湧いてきて、リーファは直ぐに前を向い
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