ALO編
六十六話 旅立ちの空
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の薙刀は重厚感のあるデザインになりつつある。(こちらでは薙刀使いもたくさんいるらしい)
そうして、それが更に十数分ほど続き……
「これなら……まぁ」
「んじゃ、これでいいか」
結果的に妥協したのは、キリトは自身の身の丈はあろうかと言う大剣 (一応は片手剣らしい)。リョウは……
「リョウ……なに?それ」
「ん?薙刀……じゃねぇ?」
「一応、薙刀のカテゴリーの武器ですよ。リーファさん」
「こんなのがぁ!?」
「えぇ。私もこれが使える人がいるとは思ってませんでしたが……」
リョウの持つ武器は、一言で言うと、デカかった。
柄に対して幅の細い刀身部分が殆ど同じ長さを誇り、それらを合わせた全体の長さがなんと二・五メートルをゆうに超えている。名称は……《斬馬刀》。古来、「馬ごと敵将を斬る」と言う、無茶苦茶な目的の為に製造されたと言われる武器だ。目的もそうだが、成程、見た目も無茶苦茶だった。
「俺としちゃ、これでもまだなんだが……」
「勘弁してください。内にあるのじゃ最重量の武器なんですから」
「……つーわけで、これ買うわ」
「どういう筋力してんのよ……」
溜息をつくリーファを尻目に、二人はさっさと会計を済ませた。
「にしても……兄貴はやっぱ薙刀なんだな」
「うんうん」と頷いた様子でそういうキリトに、リョウは首だけを振り向かせる。
「何だよ?問題あるか?」
「いや。寧ろ連携が取りやすくて良いなと思ってるだけさ」
「ふぅ〜ん」
二ヤッと笑ったキリトに、リョウは眼を細めて頷く。しかしそれだけではなく……
「まぁ……一応今までとはちげぇ戦い方も考えてるぞ?」
「え?どんなの?」
「それはお楽しみ」
「いやな予感しかしない」
にやりと笑ったリョウに、今度はキリトがひきつった笑いを返した。
────
「さて!他に行きたいところある?」
「俺は特に」
「あ、んじゃあよ、リーファ」
「ん?何?」
キリトは首を振ったがしかし、頭の後ろで手を組んだリョウがリーファの方を見る。
「楽器売ってるとこってあるか?一応プーカとしては見ときてぇんだが……」
「あぁ。そりゃそうよね……でも、スイルベーンに楽器店って無いのよね……」
「無い?そりゃまたなんでだよ」
いぶかしげな顔をしたリョウに、リーファは肩をすくめて答える。
「基本的に楽器を使う人が少ないから。元々、首都に楽器の専門店があるのってプーカくらいなのよ。後はアルンにもあるらしいけど……それ以外の街では雑貨屋が基本ね。どうする?」
「んじゃまぁ……とりあえず雑貨屋まで頼めるか?」
「オッケー。じゃ、行こっか」
先頭を歩きだしたリーファと、隣に居るキリトに、リョウが片手で「すまん」のゼスチャーをする。
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