無名の有名人 bT
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夢を見た。俺は二人の女性と共に近くの綺麗な湖へとやって来ていた
湖には霧が満ちているいた、でもその霧が俺の隣を歩いている女性達の美しさを更に引き立てていた
湖に着くと、右隣に居た銀髪の女性が俺に腕に絡みつくように胸を押しつけてきた。
「フフフッ、やっぱり照れた顔も可愛いわね♪閃輝君♪」
「か、からかうのもやめてください。まったく・・・」
柔らかい感触が腕に触れて、俺は顔を赤くしながら顔を反らすと、左隣に居た緑髪の女性がキスをしてきた
「閃輝君の唇頂き♪」
「ってぇなにするんですか!!!??」
「スキンシップよ♪」
「それはスキンシップを通り過ごしてるわよ・・・後にも私もするからね」
っと銀髪の女性から囁かれて少し背筋がゾクっとしたのは内緒
そして、俺は二人の手と自分の手を繋いで、指を絡ませて
「さっ歩きましょ」
二人は天使のような笑顔を俺に向けてくれた。俺も二人の名を呼んでから歩き出した
二人の・・・二人の名前・・・?
あ・・・れ?二人が消えて行く・・・そして、誰なんだ。この俺を一夏と呼んでくる女性達は?
記憶が・・・散り散りになって消えて行く・・・
「しっかりしなさいよ、彼女は私の完璧な従者なんだから、私生活も完ぺきにしてあげるのよ」
また一つ記憶が消えて行く
「おっ!お前にも恋人が出来たか〜。いいねいいね〜若いってのは」
どうして・・・?
「私は彼女の親友なんだから、私の親友を泣かせたら私が許さないからね!」
俺の記憶が消えて行く・・・俺の大切な物が消えて行く、俺の人生ともいえる全ての物が消えて行く・・・その上をまったく別の女性達が上書きするかのごとく入り込んでくる
「閃輝君、どうかしら?見た目は悪いけどスコーンを作ってみたんだけど?」
「あら、また貴方から来てくれたの?嬉しいわ、さあいらっしゃい」
「閃輝君これ見てくれる?妹様が書いて下さったのよ。私と閃輝君と自分だそうよ?お嬢様がまるで親子ねって言ってわ。私の子供もこんな風になるのかしら」
「え?これって・・・嬉しいわ閃輝君、プレゼントだなんて・・・」
「ええ?ちょっと恥ずかしいわ・・・ね。・・?」
「ええ・・・でも言ってあげるわ」
「「・・・・・・心の奥底から愛してるわ」」
決して消えないものがあった。もう名前も思い出せないけど、でも彼女たちの笑顔、怒った顔、綺麗な顔、匂い、感触、暖かさ。消えても消えても無限に湧き上がって来た。一夏と呼んでくる女性達はそれを消そうと、自分達を上書きしてくるが、消せない。消せる筈がない、それは無限に生まれてくるのだから。彼女達は僕の記憶を殺そうとしている。でも、彼女達の記憶は僕の生きていた証
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