ALO編
六十五話 翡翠と風の街
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成りリョウがレコンの首に腕を絡ませ組みついた(システム障壁の発動しないギリギリの力加減で)。顔を真横に寄せ、ニヤニヤと笑う。
「吐けっ!楽になっちまいな!」
「な、何もしてません!ホントです!リーファちゃん!」
「……吐きなさい」
「そ、そんなぁ!キリトさん!」
「悪い。そうなった兄貴止める方法知らないんだ。俺」
助けを求めるレコンに、リーファは冷静な目で一言。キリトは苦笑して目をそらす。
「さぁ!吐けぃ!吐くのだぁ!」
「や、やって無いです!それでも僕は、やって無いぃ!!」
結局のところ、ネタに逃げたレコンだった。
────
戯れによってすっかりリョウ達を疑う気が失せてしまったレコンは、そのまま要件をリーファに伝えて飛び去って行った。ちなみに、リョウとはフレンド登録までしたようだ。
ただし、レコンとリョウを見てずっとリーファと二人で顔を見合わせ笑っていたキリトには別の意味での疑いが生まれたようだが。
「しかし、リーファは本当にアイテムの分配行かなくて良かったのか?」
「え?あ、うん。特に欲しいものは無かったし、約束は守る主義だしね」
「そうか……」
「っま、良いじゃねぇか。本人がそれで良いっつってくれてんだからよ」
そう言ってなだめるようにキリトを見ると、リーファも「そうそう」と同意してくれ、キリトも一つうなずくと納得したようで、別の話を二人は始める。.
途中リーファとレコンの関係等を話のタネに、リーファに案内された二人は少し小道を入った先にある、《すずらん亭》と言う小さな酒場兼宿屋の店へと入った。
「それじゃ、此処はあたしが奢るから、好きに食べていいわよ」
「おっ、良いねっ!太っ腹!」
「いや兄貴それは遠まわしに失礼だから」
「何だよ。別に体系的な事言ったわけじゃねぇぞ。つーかむしろ胸の方が……「あ〜に〜き〜」へいへい。ったく、まじめだねぇ」
「はぁ……リョウのキャラが分かってきた気がするわ」
「そりゃ光栄だな」
はっはっはっと言いながらメニューを眺め始めるリョウを見て溜息をつくリーファにキリトが苦笑する。
結局、リーファはフルーツババロア、キリトは木の実のタルト、少々リーファは驚いたようだったがユイはチーズクッキー、それ以上に驚かれたリョウはフルーツパイとカルテットシュー、グランチーズケーキ、ハーブプリン、翡翠ごま団子を頼み、リーファの顔をひきつらせた。
「いやー、わりいなこんなに」
「そう思うなら少しは遠慮しなさいよ……」
「いやいや、先輩プレイヤーの財布を侮るような真似を知るのは失礼と存じましたゆえ」
「存じなくていいわよ……」
「パパ、なんで口を押さえてるんですか?」
「いや……やっぱこうなるんだなって……クク……」
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