ALO編
六十五話 翡翠と風の街
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カンとした顔を浮かべるレコンに、リョウは続ける
「ホントは《リーコン》って読むんじゃね?」
「え、は、はい!え、って分かるんですか!?」
此処に来てようやくレコンは思考が追いついたようで、驚いたように目を見開く。
Reconとは本来、アメリカの特殊部隊における威力偵察を主任務とした部隊の名称だ。偵察とはいってもその権限は多岐にわたり……と、それは置いといて、だ。レコンはどうやらこの話題に食いつけると思っていなかったらしく、かなり興奮している。
「あぁ。そういうの好きな奴がダチに居てな」
「うわっ!うわっ!凄い!この名前の由来分かる人に初めて会いましたよ僕!」
「ははっ!そりゃファンタジーゲームでそのネタは普通使わねぇだろうからなぁ」
「あはははは……やっぱりそうですよね。しょうがないんですけど、でも自分なりに能力《キャラメイク》はそっち寄りなんですよ!」
「へぇ?偵察主眼のキャラなのか?」
「はい!たとえば……」
共通の話題で話せる事が嬉しいらしいレコンは笑顔のまま話を続けると、不意に口の中で何かをぶつぶつと言い始める。
「エル・トラス・ウィレ……」
『成程。これが呪文《スペル》か……』
《聞き耳》でレコンが何を呟いているのかが分かったリョウはその幾つかに分かれた《力の言葉》を聴きながらそんな事を思う。とすると、これが自分たちの世界には無かった新しい力……
次の瞬間、レコンの姿が消えた。
「おぉっ!?これが魔法か!」
「へぇ。透明化の術か?」
「うん。《ホロウ・ボディ》っていう自己隠蔽魔法よ。結構な上位スペルだけど、レコンの十八番なのよ。これ」
キリトが驚き、感心したように言うのにリョウが続き、リーファが解説すると、レコンが術を解き、再びその場に現れた。
「なーるほど。こりゃ下手したら本職の人間よりも見つかりにくいかもなぁ」
「でしょう?これ出すの苦労したんですよ〜」
「だろうな。隠蔽魔法スキルのマスターってとこか?」
「それに隠密行動のスキルもなんですよ」
「うわっ、そりゃ大変だなぁ」
リョウとレコンの会話に、スキルの時点でその苦労を理解できるキリトも混ざる。リーファは軽くあきれ顔だ。
「っておいレコン。お前それ使えるってことは……今まで“なんか”したんじゃねぇのか?」
「えっ!?いや、な、何言ってるんですか。何も……「前に一回、宿の私の部屋に勝手に入ったの忘れたとは言わせないわよ」り、リーファちゃん!」
リョウの二ヤリと笑った視線から来る質問を、なんとか逃げて躱そうとするレコンだが、リーファに逃げ道を塞がれる。次の瞬間、キリトとリョウの顔がニヤニヤと笑った。
「ほほぅ?他には?」
「な、無いですよ!他には無いです!」
「嘘つけこのやろぅ……さぁ吐けっ!」
と、行き
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