ALO編
六十五話 翡翠と風の街
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…」
キリトとリーファがワーキャー騒いでいるのを横目に、リョウは周囲に広がる風妖精の都を眺める。この都市は、ゲーム内で通称《翡翠の都》と呼ばれているらしい。その名に違わず、いくつもの細い作りの尖塔群が空中回廊でつながり、すべてが美しく淡く緑色に輝いている。夜空に実に良く映える光景だ。と……
「リーファちゃん!無事だったの!」
そんな思考の中に、少年っぽい少しネガティブさを感じさせる声が割り込んだ。
声の聞こえた方へと首を向けると、こちらに……というかおそらくはリーファにぶんぶんと手を振りながら走り寄ってくる黄緑のおかっぱ頭に少し弱気そうな顔をした少年シルフが見える。
「あ、レコン、うん。どうにかねー」
「凄いや、あの人数から逃げ切るなんて流石はリーファちゃん……って……」
友人の無事に今まで視野が狭窄していたのだろう。ようやくこちらに気付いたようで、瞬時にあわてたような顔をする。
「す、スプリガン!?それにサラマンd「俺はプーカだ!」え、へ?」
間違えようとしたレコンの言葉に、自分の容姿から勘違いされる事を想定していたリョウが即座に割り込む。
もともと、プーカと言う種族には他の種族に有る種族のテーマカラーと言うのが無い。しいて言うならばカラフルなのがテーマカラーと言える種族だ。唯そのため、ランダムに容姿が設定されるALO内ではアバターの特徴が他の種族と似るケースが有る。その代わりなのか何なのかは分からないが、プーカ族の瞳は他の種族と違って明るいような暗いような不思議な光を放つ眼が設定されてので、それで見分けを付けるのだ。
というわけで、リョウは自分の目をさしながら「良く見ろ!」と訴える。レコンは覗き込むように確認した後、「あ、ホントだ……」と小さく呟いた。が我に返ったように再び腰のナイフの柄に手を伸ばす
「って、どっちにしても……!」
「あぁ、良いのよレコン。この人たちに助けてもらったの」
「へっ……」
ポカンとしているレコンをよそに、リーファはキリトとリョウに向き直りレコンを指差す。
「こいつはレコン。あたしの仲間なんだけど、ふらりと会う少し前にサラマンダーにやらちゃったのよ」
「そりゃすまなかったな。よろしく、俺はキリトだ」
「あ、どもども……」
流されるままにキリトと握手をするレコンを相手に、リョウが続く。
「リョウコウだ。リョウって呼んでくれや」
「あ、はい。レコン……です」
「ん……レコンって、Rekon?」
「あ、いえ。cです。Recon」
「へぇ……」
レコンの名前の綴りを聴いたリョウが、面白いものを見たように二ヤリと笑う。それを見て、キリトが首をかしげた。
「なんだよ兄貴。知り合いか?」
「いや、違ぇけどな。レコン。お前その名前ネタか?」
「え……」
再びポ
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