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SAO─戦士達の物語
ALO編
六十四話 三人と一人の遭遇
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に同時に言われ、言葉に詰まるキリト。それをみて何と無く楽しげ笑ったリーファが話を続ける。

「まぁ、そう言うなら私は良いけど……保証はないわよ?ていうか……リョウ、さんは?」
「まぁ、別にかまわん。ちなみに、俺にも「さん」はいらねぇから」
「あ、うん。じゃあ……《スイルベーン》まで飛びましょうか」
「オッケーだ」
「あぁ……ってあれ?」
そう言うと、リーファは背中に背負ったクリアグリーンの翅を多少ふるわせる。先程まではこの世界での飛行時間制限である《飛翔力》残りを示す翡翠色の燐光が殆ど失われ翅は完全にその輝きを失って居たのだが、今はその力が戻り、翅全体がキラキラと光っている。
と、キリトが首をかしげ、不思議な物を見たような表情をする。

「リーファはコントローラーなしで飛べるのか?」
「あ?おぉ。確かに」
「あ、まぁね。って、君たちは?」
「俺ら二人揃って、つい最近これの使い方知ったばっかだ」
そう言ってリョウは左手をクイッと動かす仕草。それを見て、物はためしとリーファはキリト達にある提案を持ちかけた。

「そっか。まぁ随意飛行はコツがあるからね……よし、ちょっと試してみよっか」
「後ろ向いてみて」とリーファが言うと、キリトとリョウは若干戸惑った様子だったが後ろを向く。まず、キリトとリョウの肩甲骨辺りを触り、触っている事が分かる事を確認。ユイが見守る中、レクチャーを始める。
 そもそも、随意飛行と言うのは別に名前の通りイメージだけで飛ぶというわけではない。確かに、「イメージで飛ぶ」と言う表現は間違っているわけではないが、そのイメージを集中させる場所にコツがある。速い話が、肩甲骨の根元から骨と筋肉が伸びているとイメージして、それを動かすイメージをするのだ。
これは単純にイメージ力の問題なので、そう言った感性に優れていればすぐに出来るようになるのだ。そしてどうやら今回のリーファの生徒はそこらへんの感性は優れていたらしく、すぐに翅がぴくぴくと動き始める。それを見てリーファが次の指示を出そうとした……その時だった。

「あ、成程な」
「え……」
唐突に、リョウの方がそんな事を呟いた。翅が動き始めてからまだ僅かに三秒だと言うのに、その言葉がまるで合図だったかのように急激にリョウの翅が振動数を上げて行き、すぐにヒィィィィィン!という甲高い音が鳴り始め……

「あらよっと」
「ちょ、ちょっと!?」
リーファが止める間もなく、リョウが強く地面を蹴った途端、その体が完全に空中に飛び立った。

「おっとっとっ……と……よし。“慣れた”……」
初めはふらふらとしてバランスを取るだけだった飛行が、やはり数秒で安定した物となって行き、空中停止《ホバリング》。そうして左右に飛び回り始めたかと思うと……

「おおっ!こりゃあ
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