ALO編
六十四話 三人と一人の遭遇
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いうの」
「……俺はキリト。この子はユイ」
「リョウコウだ。リョウって呼んでくれや」
まぁなにはともあれ、此処に、どうにも奇妙な境遇と組み合わせの三人+一人が、集結したわけである。
────
森の中で出会った少女……リーファは、その容姿を裏切らない、快活な性格の持ち主のようだった。ハキハキとした声でしゃべり、なかなかに感情の起伏が激しいようだ。なかなかからかい甲斐もある(まぁ本人には言わないが)。
「ねぇ、二人とも、この後はどうするの?」
「どうっつーと……」
「特に予定も何も無い……かなぁ」
リーファの問いに、キリトとリョウが立て続けに答える。
「そっか……じゃ、その……お礼に一杯奢るわ。どう?」
「おっ、そりゃ嬉しいねぇ……こっちのケーキなんかも食いてぇと思ってたとこなんだ」
「え、ケーキ好きなの?」
「……意外で悪かったな」
リョウがジト目でリーファをにらみ、リーファは苦笑で返す。キリトはそんな義兄の様子を見て、声を殺して笑っている。
「ま、まぁ兄貴の文句は置いといて、出来たらついでに色々とレクチャーをお願いしたいんだけど……良いかな?特に……」
キリトはふとした様子で北東……この世界の中心地が有る方向に視線を向けると、真剣な表情で「あの木の事とか」と言った。
「世界樹のこと?いいわ。これでも私それなりに古参な方なんだ。じゃあ、とりあえず北の方に飛ぼうか。少し遠いけど、中立の村が有るの」
「あれ?スイルベーンって街の方が近いんじゃあ……」
リーファの提案に首をかしげたキリトの言葉を、リョウが横から遮る。
「さっきも思ったんだが……スイルベーンはやめた方がいいぞ」
「え?なんか都合悪いのか?」
頭に「?」を浮かべて訪ねて来るキリトにリョウは掌で額を抑えて溜息をつく。リーファも全く何も知らないキリトに、苦笑半分呆れ半分と言ったところだ。
「《スイルベーン》はシルフ族の首都だ。んでもってその圏内じゃ、シルフ族は他の種族に攻撃出来るが逆に他の所属はシルフを攻撃出来ねぇんだよ」
「あぁ、成程。そりゃ確かに危ないな!」
キリトが納得したように頷くのを見て、リーファも「ウンウン」と頷いているしかし……
「でも……シルフの首都って綺麗そうだし一度見てみたいなぁ……それに、皆がいきなり襲ってくるわけじゃないんだろ?リーファさんみたいな人もいるし」
「え……?あ、うん、まぁ……っていうかリーファでいいわよ。さん付けはなんか違和感あるし……って……」
リーファは唖然とした様子でキリトを指差して、「これで素なんだよね?」と、リョウに聞く。「残念ながら」とリョウは頷く。
「なんだよ。俺をおかしな人みたいに……」
「「いや、十分おかしい」」
「うぐっ……」
リョウとリーファ
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