ALO編
六十四話 三人と一人の遭遇
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んしゃらんと音を鳴らしながら、キリトの周りを飛び回る。
「う〜、でもパパのポケット狭いです〜。それに叔父さん!パパとくっついていいのはママと私以外はあり得ません!」
「おっとっとこりゃすまn「ぱ、パパぁ!?それに叔父さんって……」ぬぅ……」
少し怒ったような調子の声に呆気に取られてよくよく近づいて見てみると、それは手の日サイズの妖精だった。ヘルプ窓から呼び出せる《ナビゲーション・ピクシー》のようだが、それにしては語彙が多すぎる。
話を聴くと、どうやらそれはプレオープン時に抽選配布された《プライベート・ピクシー》という個人用ピクシーだと言う事だった。リーファも実際に見るのは初めてだったが、こんなにも愛らしく感情豊かな物だとは知らなかった。個人的に欲しいくらいである。
ちなみに何故プレオープンなどと言うかなり以前から居ると言う割に装備が初期装備なのは、昔アカウントだけを作り、これまでは別のゲームをしてきたからだと言う事だった。
ついでなので、この不思議な二人に、リーファはさらに質問をぶつける。
「ふぅ〜ん……それはいいけど、なんでスプリガンがこんな所に居るのよ?プーカはケットシー領を越えれば直ぐだけど、スプリガンの領地はずっと東の方でしょ?」
この質問に対して、黒衣の少年の答えは十分すぎるほどに異常で、なおかつ至極簡潔なものだった。
「み、道に迷って……」
「迷ったぁ!?」
余りにも予想外な答えに、驚きを通り越してリーファは思わず吹き出す。
「ほ、方向音痴にもほどがあるっていうか……君、変過ぎだよ〜って……じゃあそっちは……?」
リーファに次の質問を回された赤毛の青年はしかし、一度やりずらそうに頭を掻き、事情を説明し始める。
「もともと俺とこいつはリアルでも知り合いでな……」
「兄弟でしょ?」
「……まぁ、そんなとこだけどよ……んで、ノームとレプラコーン領を越えてスプリガン領の近くまで行って合流して、そっからケットシーの領地の近くにある《蝶の谷》に行くつもりだったんだ……けどこいつに先頭任せた俺が馬鹿だったらしい……」
「すみません……」
「あははははははは!!ほんと、君たち変わってるね〜!」
確かに、プーカ、ノーム、レプラコーン、スプリガン、ケットシーは後方支援職としてそれぞれそこまで仲が悪いわけではないため、可能では有るだろう。しかしそれにしても……結局そのあと、リーファはひとしきり笑い転げた。ちなみに黒衣の少年が胸中で「よくそんなポンポン口から出まかせが出るなぁ……」と変な関心をしたのは秘密である。
とにかく、その後なんとか笑いを収めたリーファは右手に下げっぱなしだった長剣を収め、二人を正面から見据えて微笑んだ。
「まぁ、とりあえずお礼を言うわ。助けてくれて、ありがとう。あたしはリーファって
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