ALO編
六十四話 三人と一人の遭遇
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、的確に装甲の隙間であるアーマーと兜の間を狙うとは、もはや異常の域である。
そんな事をリーファが分析していると、不意に黒衣の少年がリーダー格のサラマンダーに話しかけた。
「で……どうする?あんたも戦う?」
「ははは……いや。これは勝てないな。アイテムをおいて行けと言うなら従うから、見逃してほしい。もうすぐ魔法スキルが900に乗るんで、死亡罰則《デスペナ》が惜しいんだ」
「おーおー、正直だなお兄さん。キリト、俺は構わんぞ。まぁ最も……」
にやりと笑い、赤毛の青年がリーファの方を向く。
「そっちのが納得すれば、だけどな?」
「そうだな……お姉さん、どう?彼と戦いたいなら邪魔はしないけど……」
そう言えば。と、リーファは自分の中に先程追いつめられた時まではあったはずの戦意が、驚愕等によってすっかり押し流されてしまっている事に気がついた。苦笑しながら、彼女は答える。
「わたしもいいわ。次は負けないからね。サラマンダーさん」
「望むところだ。まぁ、君ともタイマンじゃあまり勝てる気はしないけどね」
ははは。と小さく笑うと、重戦士は燐光とともに森の向こうへと飛び去って行った。少し時間がたち、二つのリメントライトが消えてから、リーファは少年と青年に話しかける。
「で……私はどうすればいいの?お礼を言うべき?逃げるべき?それか……戦う?」
リーファとしては三つ目の選択肢は受けたいか遠慮したいか微妙なところだった。
今の戦闘を見た限りでは負ける予感の方が頭の中に強く浮かんできてしまっているが、あのスピードと正面から剣を交えてみたいと言う戦士らしい欲求も頭には浮かんできている。
「ははっ、中々気の強いお嬢だな」
「お嬢ってなによ……」
「いやいや。気になさんな」
言いつつ、二人は互いに剣を背に。短剣を腰に戻す。
「しかしまぁ、俺たちにしてみりゃ「ヒーロー見参!」ってな場面なんだ。そう警戒してくれるな」
「あー、お姫様を騎士が助けるみたいな?」
「おうよ。ついでにお嬢がお前に半泣きで抱きついたりすりゃ完璧……」
「な……ば、馬鹿にしてるの!?」
予想外の答えに、少し顔が赤くなったリーファは半ギレで目の前の二人に剣を突き付ける。
青年はあわてて手を上げ、しかしやはりからかうようにカラカラと笑った。
「おっと、怖いな……冗談冗談。そう怒りなさんなって」
「この……」
「兄貴のはそうは聞こえないよなぁ……」
「ほんとです〜」
青年の方に剣を突き付けつつ、リーファがそろそろ斬るか……等と物騒な思考を立ちあげ始めたところで、ふと違和感に気付いた。会話の最後に、もう一人女性の声が……?
「あ、こら。出て来るなよ」
見ると、黒衣の少年の胸ポケットから何か光るものが飛び出したところだった。それはしゃら
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