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髑髏天使
第五十話 帰郷その八

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「あれですよ。食堂で酷い人見つけました」
「どんな奴だ」
「オールバックで黒いスーツで」
 まずは外見から話すのだった。
「その人が御飯を食べてですね」
「それでどうした」
「化学調味料がどうとか。味付けがとか」
「騒いだのか」
「喚き散らしていました」
 騒いだどころではないというのだ。
「もう滅茶苦茶だったんですよ」
「そういう人間もいるな」
「職業は新聞記者でした」
 職業もわかっているというのだ。
「柄の悪い警官も一緒でした」
「そうか。警官もか」
「一緒になって店の料理がどうかとか喚いて」
 それでどうなったかであった。
「お店のお客さんに注意されてもまだ喚いて」
「だからあんまり酷いからね」
「僕達がその人達捕まえたんだ」
 妖怪達が動いたというのだ。うんざりとした顔で話していく。
「それで袋にしてから簀巻きにしてね」
「淀川まで運んで放り込んでおいたよ」
「いいことだ」
 それが正しいとだ。牧村も言い切った。
「そういう奴はそうするに限る」
「化学調味料だってねえ」
「結果として良し悪しだけれど」
「何でもかんでも自然食っていう人いるけれど」
「それってどうなのかな」
 これが妖怪達の意見だった。
「まあその新聞記者と警官だけれどね」
「川に放り込んだ後でね」
 さらにどうしたかというのだった。
「私がネットで話を公にしておきました」
「ネットでか」
「暴れている動画をユーチューブに送りましたし」
 それもしたというのだ。
「あっという間に記者と警官の身元がわかりまして」
「首か」
「二人共見事懲戒免職になりました」
 それが末路なのだった。
「それでどうでしょうか」
「いいことだ」
 牧村の返答は素っ気無くすらあった。
「そうした人間はだ。そうなって然るべきだ」
「その通りですね。ですから」
「しかし。新聞記者か」
「はい」
「マスコミ関係者にはそうした手合いが多いな」
「そうですね。かなり多いですね」
 それはろく子も言うのだった。
「あと学校の先生にも」
「その通りだな。実に多い」
 また言う牧村だった。
「品性の怪しい奴がな」
「怪しいっていうか」
 どうかというのだ。
「卑しいですね」
「そうだな。卑しいな」
「はい、そういう人が多いです」
 また言うろく子だった。
「非常に」
「しかし。そういう人間ばかりではないと思うが」
「けれどジャーナリストや学校の先生にはそうした人がいる割合が」
「多いか」
「それもかなり」
 そうだとだ。話すのだった。
「大学の教授もですけれどね」
「つまり知識人か」
「それが今の日本ですね」
 話はそこまで至った。
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