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SAO─戦士達の物語
ALO編
六十三話 Link start
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はそのままであるものの、髪はSAO時代とは違いツンツンと逆立ったような妙な髪形をしているし、顔の造作も声すらあのころとはだいぶ違う。はたしてユイに自分がキリトであると認識できるかが心配になったのだろう。が、それはおそらく杞憂であるはずだ。ユイは基本的に、相手の事をデータやコードで認識できるはずであり、たとえ容姿が違うとしても、それに惑わされる心配はない。それが証拠に……

「おはようございます。パパ……叔父さん」
ユイは泣き笑いしながら、キリトの胸へと飛び込んだ。

────

「しっかしこりゃどういうこった?」
「あぁ……本当に此処はSAOの中なのかな……?」
ユイがキリトの膝の上で嬉しそうに微笑んでいるのを見ながら呟いたリョウに、キリトも眉をひそめて返す。
と、唯一この場で事情を知らないユイが、怪訝そうな顔で首をかしげるのを見て、キリトがあわてて説明を始めた。SAOの終わりと、ALOについて、何故か自分のデータがこの世界に存在する事。アスナの事については上手く言葉にならないようで、途中で言葉を濁してしまったが……
それを聴いて、ユイはどこか耳を澄ませるように眼をつむり……やがて開いた。

「ここは──この世界はソードアート・オンラインのサーバーのコピーだと思われます」
「コピーだぁ?ってことは何か、コアプログラムの基幹部分とかは……」
「はい。同一です。グラフィック形式等も同一のものがつかわれていますね……私がこの姿で存在で来てる事からも、それは確認できます」
「成程な……道理でSAOにグラフィックが迫るだの何だの騒がれるわけだ……ゲームコンポーネントだけを書き換えてやがんのか……」
ようは、SAOのコピーシステム上で動いているゲームこそが、このALOなのだ。

「つーことは、俺たちのデータもSAO時代の奴その物ってわけか」
ユイはまた少しの間眼を閉じる。おそらくリョウの言った事を確認しているのだろう。

「はい。システムデータはほぼ同一ですし、おそらくセーブデータのフォーマットが同じだったために、スキル値等を上書きしてしまったんだと思います。HPMPに関しては形式がSAOとは違うため初期化されて、アイテムデータは……破損してしまっていますね。このままだとエラー検出のプログラムに引っかかると思います。破棄した方がいいかと」
「あぁ……」
「おう」
言うが早いが、リョウとキリトは意味不明な文字群の削除を始めるしかし……

「ん……」
唐突に、りょうが呟きとともに手を止めた。

「どうした?兄貴」
「叔父さん?」
「あー、いや。何でもねぇよ」
それだけ言って、作業を再開するリョウ。キリトとユイは一度首を傾げた物の、特に問う理由もないため作業を続けた。
綺麗にアイテム欄を整理すると、残ったのは
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