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SAO─戦士達の物語
ALO編
六十三話 Link start
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の世界に来てからまだ五分も経っていないのに、いきなり不正(チート)を疑われると言うのは流石に心外だ。対し、慌てたようにリョウは手を左右に振る。

「あぁ、悪かった悪かった!!いやその……でもこりゃあ……よ」
「だから何を……え?」
再びウィンドウを覗き込んだリョウに続くように、キリトはウィンドウを見て……絶句した。

「なんだこりゃ……」
「俺が聞きてぇよ……」
そこにあったのは、キリトのステータス一覧だった。
HPとMPはそれぞれ、400と80と言う初期の物であろう数値であるのに対して、その下のスキル欄が異常だったのだ。
本来なら始めたばかりなのだから全て空欄であるはずにも関わらず既に8つものスキルで欄は埋まっており、しかもどのスキルもかなり熟練度が高い。
900はおろか、中には1000まで達し、Master!の表示がついている物さえある。

「やっぱお前チート……」
「違う!絶対違う!多分……おそらく……きっと?」
「おーい、言葉尻疑問系になってんぞー」
「いや……流石にこれを見てると……ん?」
だんだんと返答の自信を無くすようにウィンドウとにらめっこしていたキリトが、不意に首を傾げた。不審に思い、リョウも三度ウィンドウを覗き込む。
片手剣1000。体術991。釣り643……やはり初期値としては異常な数値だとしか言いようが無い。と言うか……これは……?

「……お前じゃん」
「あ、あぁ……俺のデータだ……」
其処にあったのは、SAOにおける《キリト》の最終的なスキル値その物だった。

「……」
「兄貴?」
まさかと思い、リョウも自分のウィンドウを開いてみると……
 両手槍489、薙刀1000、体術560、武器防御1000、戦闘回復1000、隠蔽953、策敵867、聞き耳1000、音楽1000……

「……兄貴、どうだ?」
「お前と同じっぽいな……しっかし初見でこれとか、他人から2周目のデータもらって始めるようなきぶんだわ」
「ははは。言えてる。でもじゃあやっぱり此処は……」
「分からんが……少なくともSAOと無関係って事はねぇだろ。寧ろキャラが強いのもその確認が取れたのも好都合……今の所デメリットはねぇし、ラッキーってとこだな」
実際の所を言うと、人間のGMに見つかればプレイ時間と釣り合わない事から(偶然とはいえ)チートがバレ、一発でアカウント抹消(BAN)喰らうだろうから其処だけは気がかりなのだが、そんな事は言わずともキリトには分かって居るだろうし、自重する。

「そういや、アイテムはどうなってんだろ?こっちも引き継ぎなのか?」
「っは、そりゃいい。もしそうなら世界樹も遠くねぇ……そんなに甘くないですかそうですか」
意気揚々と今度はアイテム欄を開き……今度はガクリと肩を落とすリョ
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