第四十九話 停戦その二十一
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場所は気の赴くままだ」
「行くつもりだよ」
「では。まただな」
「そうだな。それではな」
「またね」
三人は別れに入った。そうしてであった。
牧村の前にサイドカーが来た。死神の前にはハーレーだ。それぞれ来たのだった。
それぞれのバイクに乗りだ。そうしてであった。
「ではまた会おう」
「次の戦いの時にな」
「それまで元気でね」
「ああ。それでなのだが」
牧村はヘルメットを被りながら彼等にまた言ってきた。
「間も無く俺は神戸に戻る」
「大学か」
「そっちがはじまるんだね」
「知っていたか」
「今の人間の世の中もわかってきた」
「それでだよ」
こう話す彼等であった。
「その時になったか」
「遂に」
「間も無く大学の講義もはじまる」
牧村は学生だ。そのことをよくわかっていた。そしてなのだった。
大学の講義についてだ。こんなことも言った。
「面白い講義を受けたいものだな」
「講義か」
「現実生活も楽しんでるんだ」
「貴様等と同じだ」
彼等とだと返す牧村だった。
「俺もまた楽しんでいる」
「それでいい」
「人間でいられるからね」
「そうだな。人の世にいる」
牧村も言う。
「それがそのまま人でいることだからな」
「その通りだ」
「それじゃあね」
「神戸か。久しいな」
牧村はサイドカーのエンジンを入れながら述べた。
「変わっていないが。また戻る」
「では大阪と暫し別れてか」
「神戸にだね」」
「そうさせてもらおう」
こう話してなのだった。それでだった。
三人は今は別れたのであった。牧村は日常に戻った。死神と目玉はそこに入る。だがそれぞれ楽しんでいることは同じであった。
第四十九話 完
2010・12・9
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