ALO編
六十二話 行動開始
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ツケにしといてやる。それと円で払え円で。で?行くのか」
「そうさな……ちぃと確かめる程度には行くかも知んねぇ」
ニヤリと笑いながら言った涼人の曖昧な返事を、エギルは間違いなく肯定の返事で有ると受け取った。
「……もう一つ、今度は俺から相談がある」
「あン?」
再び憮然とした態度で腕を組んだエギルに、涼人は首をひねる。
「この事、キリトにはどうする」
「ん〜……わりぃ。お前から明日にでも説明頼めるか」
「大丈夫なんだろうな?アイツは……」
「アスナの事となったら暴走する。だろ?まぁ幾らかは抑え込むさ。だてに彼奴と義兄弟設定結んでたわけじゃねぇしな。それに、ちっと色々とあってな。あんまのんびりしてる暇ねぇんだ」
苦笑しながら言った涼人に、エギルがその顔を僅かに曇らせる。
「なんかあったのか」
その問いに……
「っま、それに関しちゃ笑い話にでもなってから話すさ」
涼人はニヤリと笑って答えた。
────
ダイシー・カフェから、御徒町駅へ行く道程の中で、涼人は思考を続ける。
エギルから貰った情報。《アルヴヘイム・オンライン》略称《ALO》の情報は、非常に優良な物だったと言えよう。何しろALOのパッケージの裏に有った運営体が、かのレクトの子会社。《レクト・プログレス》なのだ。
現在数あるVRMMOの中で、唯一アスナにそっくりな少女が見つかったのが、“たまたま”アスナに目覚めてほしくない男が勤務する《レクト》。その子会社で、しかもその少女が居るのは一般のプレイヤーでは間違いなく立ち入る事が出来ないエリアの鳥籠の中。こんな出来過ぎた話があるものか。
本来ならばすぐにでも総務省の役人に調査を依頼したいところだがしかし、いかんせん「〜の可能性が高い」で止まっている部分が殆どなのも事実だ。可能性だけで一つも確信が無いのでは、公的機関を動かすには少々材料不足だろう。つまり……
『俺達でやるしかねぇ……』
恐らく明日エギルが知らせれば、焦っている和人は間違いなくエギルの情報に飛び付くだろう。エギルの所に有ったALOは、そのためにエギルの店に置いてきた。ハードはナーヴギアでも動くらしいから、すぐにアミュスフィアを買う必要も無い。
アスナの件が解決すれば、恐らく残りの約300人の状況にも何らかの変化が起きるはずだ。
何が何でも……!
『まずは、ALO手に入れねぇとな』
そう思いつつ、涼人は眼前に見えた駅へと急いだ。
────
秋葉原でALOのソフトとその他諸々を買い、涼人が家に帰りつくと既に時刻は9時を回っていた。
一応夕飯に間に合わない事はメールしておいたが、これは直葉の小言でも覚悟しておかなければならないかと思いつつ、リビングのドアを開けると……
「ただい
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