ALO編
六十二話 行動開始
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スティック型のコントローラーを使うそうだが……上級者になるとそれなしで飛べるらしい。制御も相当難しいそうだがな」
「なるほどなぁ……」
どうやって有りもしない部位を動かすのか非常に興味のある所だったが、取りあえず今は関係無いので考えるのはやめにして、再びエギルに向き直る。
「で、さっきの写真だが……」
「あぁ。これだな」
先程と同じく、カウンターの下からエギルが一枚の写真を取り出す。そこには、問題の少女の顔が写し出された写真が合った。
「どう思う?」
「俺が見る限り、似てるな」
「やっぱりか」
質問に答えてやると、巨漢の店主は腕を組んで「むぅ」と唸った。ココアを一口飲みながら、涼人が問う。
「此処までの話から察するに、これもこのゲームん中か」
「あぁ。此処だ」
言うと、エギルはパッケージを裏返し、その表面をトントンと叩いた。
裏に有ったのは、ゲーム内と思われる画像や、概要など。そして、その世界の俯瞰図だった。
全体的には円形の世界だ。中心から、それぞれの方向に向かってそれぞれの種族ごとに放射状に分割された領土が。そしてその中央には、巨大な樹の絵があり、エギルはそこを刺していた。
「世界樹。と言うらしい。なんでもプレイヤーの当面の目標が、その樹の上の方に有るエリアに到達することなんだそうだ」
「到達って事は……飛ぶのにも何か制限があんのか?」
「あぁ。無限には飛べないように時間制限が有るんだと、そのせいで一番下の枝にもたどり着けないらしい」
「ふぅん……じゃどうやって枝に辿り着いたんだ?まさか根元にこの子が居た訳じゃねぇだろ?」
憮然とした態度で言ったエギルに、涼は再び問いを飛ばす。と、エギルは何処か笑いをこらえるように口角を持ち上げた。
「あぁ。変なたくらみをした奴等が居てな。体格順に肩車して五段の多段ロケットの要領で飛んで、上を目指した」
「変っつーか馬鹿だな。何処にでも居るんだなぁそう言う奴」
涼人がけらけらと笑って返すのを、エギルもニヤニヤと笑いながら言う。
「まぁ確かに馬鹿だな。が、目論見自体は悪くなかったらしくてな。枝に後一歩と言う所までかなり肉薄したらしい。それでその5人目が到達高度を証明するためにとりまくった写真の一枚に、奇妙な物が映り込んでいた」
「この子か」
表情を改めた涼人に続き、エギルも再び憮然となる。
「正確にはその子が入った鳥かごが、枝の一本にぶら下がってたんだと」
「鳥籠ぉ?囚われのお姫様だってのか?どう考えても似合わねぇだろ彼奴にゃ」
「もしもそうなら、そもそもそれどころじゃないがな」
互いに苦笑しながら話すうち、涼人はカップのココアを飲み終わっていた。
「ま、大体の事情は分かった。サンキューな。情報量何コルだ?」
「
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