第四十九話 停戦その十六
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「その通りだ」
「そうなんだ。わかったよ」
猟犬は男のその言葉に頷いた。そうしてだった。
彼等に顔を戻してだ。そうして彼等にも言う。
「それじゃあ」
「戦うな」
「そうするな」
「だってその為に呼ばれたから」
神もこう返す。
「ここにね」
「ではだ。いいな」
「死んでもらう」
牧村と死神が強い声になっていた。そうしてだった。
それぞれ変身に入る。神はそれを見てだ。
また男に顔を戻してだ。告げたのだった。
「じゃあ任せて」
「楽しむといい」
「そうさせてもらうよ。じゃあね」
犬の目がだ。それまでの黒から赤くなった。そしてだ。
その赤い目を細めさせてだ。また男に告げた。
「じゃあ叔父さんはね」
「見させてもらう」
これが男の言葉だった。
「今回もな」
「わかったよ。それじゃあね」
神は男のその言葉を明るく受ける。
「見ていてね、僕の戦いをね」
「そうさせてもらう」
「ここでもか」
「貴様は戦いはしないか」
それを聞いてだった。牧村と死神が話すのだった。
「まだか」
「それは」
「そうだ、しない」
男は彼等にも返す。
「その時はまだだ」
「まだだというのか」
「その時はか」
「そういうことだ。楽しみにしているのだ」
にこりともせずに告げた男だった。
「それではな」
「去るか。そうか」
「ではそうするといい」
二人も彼を行かせた。そうしてだった。
男は闇の渦を彼の前に作りその中に入って消えたのだった。そうしてだった。
その毛から青い腐った液を滴らせてだった。そのうえで彼等に言ってきた。
「それじゃあね。戦おうか」
「今からだな」
「そうするか」
「僕に勝てたらここから出られるよ」
その混沌の世界からだというのだった。
「それでもね」
「貴様が勝てばか」
「それはなくなる」
「当然だね。僕が勝つということは」
それはどういうことか。神は話した。
「君達がここで死ぬことだからね」
「そういうことだな。話は簡単だな」
「二者択一だな」
「うん。じゃあ」
「はじめるぞ」
「今からな」
牧村と死神はそれぞれ構えに入った。そうしてだった。
牧村はその両手を拳にして己の胸の前で打ち合わせた。死神は右手を拳にしてそのうえで己の胸の前に置く。するとだった。
牧村はその身体が青白い光に包まれ死神はその全身を白い光に包ませた。そうしてだった。そのうえで言うのであった。
「行くぞ」
「斬る」
髑髏天使はその右手を少し前に出して一旦開いてから握り締める。死神は右手に持った大鎌を己の前で一閃させる。それが合図となった。
髑髏天使は六枚翼の黄金の天使になり死神は漆黒の姿になった。そしてだった。
二人はすぐにだ
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