空白期(無印〜A's)
第二十三話 裏 後 (アリサ、すずか)
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、やはり男の子だからなのだろうか、可愛いというよりもカッコイイに部類されるようなアクセサリーだった。だが、それでも翔太が真剣に選んでくれたものだ。異論があろうはずもなかった。
「へ〜、いいんじゃない?」
「うん、いいと思うよ」
アリサが気に入ったように、どうやらすずかも気に入ったようだ。アリサの意見に同調していた。
手渡されたアクセサリーは早速、首からかけられる。首にかけたとき、金属が持つ冷たさだろうか、やや首筋がヒヤッとしたが、それもすぐに収まり、胸元へと視線を落とす事ができた。そこには先ほど翔太からプレゼントされた太陽をあしらったアクセサリーが、空からの太陽の光を反射してその光沢を輝かせていた。
―――初めて貰った翔太からのプレゼント……。
大切にしよう、とアリサは思うのだった。
◇ ◇ ◇
なんでこんな面倒なことをするのだろうか? とアリサ・バニングスは、部屋の庭に設置されたお風呂に浸かりながら思う。
温泉街の散策から帰ってきたアリサたちは、今度は大きな露天風呂ではなく、庭に設置されているいわゆる家族風呂の中に身を沈めていた。身体にタオルを巻いたままで。さらに髪の毛をお風呂につけるのはマナー違反なので髪の毛にまで巻いている。それは、アリサもすずかも同じだ。
そう、現状、家族風呂に身を沈めているのは、アリサとすずかと翔太だ。昨日の約束どおり、こうして三人で一緒にお風呂に入っているわけだ。デビットと梓は、というと家族風呂というのは三人家族程度を想定しているらしく、子ども三人が入れば、大人は一人しか入れない。どちらが入っても角が立つなら、入らないことにしようという結論に至ったらしい。
もっとも、アリサにしてみれば、目的は三人でお風呂に入ることだからなんら問題はなかったわけだが。
彼女達がタオルを巻いているのは、翔太の必死の抵抗があったからだ。一緒に入ることは了承したからせめてタオルを巻いてくれ、と懇願されてしまった。
「温泉にタオルをつけるのはマナー違反じゃないっ!」
そう憤ったのはアリサだ。少なくとも、アリサはそう教わっていた。しかし、彼曰く、何事も例外があるのだという。その例外の理由は? と聞くと、恥ずかしいからだ、という。アリサにはまったく意味が分からなかったが。どうして、恥ずかしいのだろうか? と思う。まあ、他人ならどうだろうか? と思う心はアリサにはあるが、相手は翔太だ。何も気兼ねすることはないと思うのだが。
そう思ったが、結局、梓のとりなしでアリサたちが折れることとなってしまった。しかも、面倒なことに頭にまでタオルを巻いて。
そんな少しの混乱があって、ようやく三人でお風呂に入ったのだが―――
「ちょ
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