暁 〜小説投稿サイト〜
髑髏天使
第四十九話 停戦その三
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話

「猫はマンチカンでね」
「俺は犬はシェパードだな」
 青年がその子供に応えて話す。
「そして猫はな」
「やっぱりあれ?ペルシャ猫?」
「あの毛が長くふわふわしているのがいい」
 それが彼の好みだった。
「だからだ。それがいい」
「僕もシャパードもペルシャも好きだけれどね」
「そちらもか」
「うん、ただ一番はね」
 どうかというのだった。それは。
「やっぱり。秋田犬とマンチカンだね」
「俺は犬はブルドッグで猫はスコティッシュフォールドだな」
 今度はロッカーだった。
「特にスコティはな。垂れた耳がいいんだよ」
「耳が立ってるスコティは駄目?」
「それはそれでいいんだよ」
 それも認めるロッカーだった。
「まあとにかく今はな」
「はい、ハンバーガーを食べてから参りましょう」
 老人が彼等をまとめてそのうえで述べた。
「今から」
「そうだね。じゃあね」
 子供は笑顔で牧村と死神に別れの挨拶を告げてきた。
「また会おうね」
「そうだな。会うべき時にな」
「またな」
 二人もその別れの言葉に応えてだった。これで話は終わった。
 魔神達は何処かへと消えてそのうえで二人が残った。その二人は。
「これで妖魔に専念することができるようになったな」
「そうだな」
 まずは戦略からの話だった。
「それはいいがだ」
「ああ、しかしな」
「まだ信じられない」
 牧村は眉をしかめさせて述べた。
「どうもな」
「そうだな。魔物達の方から停戦を言うとはな」
「しかもだ。戦いの他に楽しみを見出したとはな」
 牧村が最も考えているのはこのことだった。
「あの魔物がか」
「それが信じられないな」
「それでは妖怪と同じだ」
 こう言うのだった。
「まさにな」
「そうだな。それは確かにそうだな」
「そう思うな」
「うむ」
 死神もここで頷いた。
「私もそう思う」
「魔物は元は妖怪だったが」
「その妖怪に戻ってきているということか」
「それはまだ言えない」
 牧村もだ。即答はできなかった。しかしなのだった。
「だが、だ」
「考えられるのだな」
「否定するしかできない状況と考えられる状況ではだ」
「全然違うな」
「そうだ、だからだ」
 牧村の言葉は続く。
「かなり違ってきているのは間違いない」
「妖怪は戦わない」
 死神もまた言った。
「それはしない」
「魔物は戦いだけを好む」
「その二つの違いがあるな」
「魔物は妖怪が戦いを知り」
 牧村がまた話していく。
「そしてその中に身を投じてなるのだったな」
「だが妖怪はこの世の遊びだけを楽しむ」
「魔物はその遊びから背を背けた」
 それこそが魔物だというのだった。
「そういうものだったがな」
「しかしまた遊ぶ
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ