第四十九話 停戦その二
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「その通りです」
「そうか、そういうことか」
「その通りです。ですから今はです」
「俺達とは戦うことはしないか」
「まずは妖魔です」
老人は言い切った。
「そして戦いの他の楽しみを堪能します」
「それで停戦か」
「むしろね」
今度は子供が言ってきたのだった。
「僕達は君達との共闘も考えてるんだよ」
「魔物と髑髏天使がか」
「うん、そうだよ」
こう言ってくるのだった。
「そうしてね」
「変わるものだな」
「僕達も驚いてるよ」
子供が牧村に返す。
「実際にね」
「そうか」
「まあ今は流石にそこまでは無理かな」
「こちらから停戦を申し出たばかりですし」
老人がまた言ってきた。
「そちらも心の整理がありますね」
「ないと言えば嘘になる」
「私もだ」
牧村と死神もそれは否定しなかった。
「髑髏天使としての宿命を考えればな」
「これまでの戦いだけでもだ」
「それはわかっています」
老人も述べてきた。
「それはです。しかしです」
「それは事実だというのだな」
「嘘ではないと」
「何度も申し上げた通りです」
また言う老人だった。
「では。そういうことで」
「待て、帰るのか」
「そうするのか」
「お話することは終わりましたから」
「だからだよ」
老人だけでなく子供も告げてきた。
「戦う理由はなくなりましたし」
「だからこれでね」
「そうか。それでなのか」
「もう帰るのか」
「じゃあさ。百目さ」
子供は無邪気な笑顔で老人の本来の名前を言ってきた。
「これからどうしようかな」
「これからですか」
「うん、これからね」
彼が言うのはこのことだった。
「遊ぶにしても何をしようかな」
「そうですね。まずは食べましょう」
「食べるんだ」
「ハンバーガーなぞどうでしょうか」
老人もにこやかに笑って提案するのだった。
「それを食べてですね」
「それからだね」
「後は。近頃犬猫ランドという場所ができたそうですが」
「ああ、犬や猫が一杯いる」
「そこに全員で行きませんか」
これが老人の提案だった。
「のどかでそれでいて非常に楽しいところのようです」
「そうね。それじゃあ」
「そこにするか」
女と男が応えた。
「犬や猫と遊んだりたわむれたりするのもね」
「癒されるものだ」
「はい、癒しもいいものです」
それを肯定してそのうえで語る老人だった。
「では。そういうことで」
「僕犬は秋田犬が好きなんだよね」
子供はその犬について話しはじめた。
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