ALO編
六十話 桐ケ谷家の朝
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「いや、うーん、まぁステップはともかく、アシストなしだとアタックがなぁ……」
和人の呟いた単語に、またしても直葉が目を白黒させて居る。しかしその表情は和人の次の一言で……
「でも、やっぱ楽しいな、剣道……またやってみようかな」
「ホント!?ほんとに!?」
一気に笑顔へと変わった。
直葉と和人にとって剣道は長年一つの確執だったのだが、あの世界での経験を経て、その剣道が二人を再び結び付けようとしている様な、そんな感覚を涼人は覚える。
「スグ、教えてくれるか?」
「勿論!また一緒にやろうよ!」
「ん、ま、もうちょっと筋肉が戻ったらな」
そう言いながら片手で直葉の頭をくしゃくしゃと撫で、直葉は顔を綻ばせながら「えへへ……」と嬉しげな声を出す。
正直なところ、この一ヶ月で本当によく思う。
『良い兄妹じゃねぇの』
あの世界に行く前の二人を知っている涼人は知らず知らず頬を緩ませながらそんな二人の姿を見守る。これならば、自分の出る幕はあるまい。
『んじゃ、邪魔者は退散しますかね』
そんな事を思いつつ、リョウは一足先に母屋へと戻った。
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