空白期(無印〜A's)
第二十三話 裏 前 (アルフ、デビット、なのは)
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ントするのもいいかもしれない。誕生日が過ぎていなければ、の話だが。
しかし、話はそう簡単ではなかった。翔太が両隣に向かって微笑みながら何かを言っていた。その内容までは分からない。なぜなら、ウォッチャーは音声を送るようにできていないからだ。何を言ったんだろう? となのはが考えていると、翔太は不意に難しい顔になってシルバーアクセサリーを選んでいるように見えた。
やがて、翔太が手にしたのは、月と太陽を模った二つのシルバーアクセサリーだ。それをお金を払って受け取ると、隣にいた二人の女の子に手渡していた。その場にいる翔太の知り合いの女の子は、あの金髪の女と黒髪の吸血鬼だけだ。
なのはの頭がそれを理解した瞬間、一瞬で心の中を嫉妬心と苛立ちとなのはにも分からない感情が支配し、その苛立ちやその他もろもろの感情に従うように、なのはは振り上げた拳を一気に机へと叩き付けた。
ドンッ!! と小学生の女の子が机を拳で叩いたにしては大きな音が鳴ってしまった。それもそうだろう。無意識のうちになのはの拳は魔力によって強化されていたのだから。だから、机が多少へこむほどの威力であろうとも彼女の拳にはなんら影響はなかった。
しかし、机を叩いたにはしては大きな音が鳴りすぎた。
『なのは〜、なんか大きな音がしたけど、どうかしたの?』
ドアの向こうで姉の美由希が聞いていたのだろうか。コンコンというノックの後に彼女の言葉が聞こえてきた。しまった、と後悔しても遅い。しかし、この状況を知られるわけにはいかないなのははすぐさまいい子の高町なのはの仮面を被り、返事をする。
「ううん、少しこけちゃっただけ」
『大丈夫?』
「うん」
それだけで、どうやら納得してくれたらしい。ドアの向こう側から姉の気配が遠ざかっていくのが分かった。その事実にほっとすると再び、ウォッチャーの映像へと目を移す。そこには翔太から渡されたシルバーアクセサリーを早速つけて、翔太に見せびらかしている金髪の女と慎ましく見せている黒髪の吸血鬼の姿があった。
その光景を見ながらなのはは思う。
どうして、彼女たちなのだろうか? と。どうして、自分ではないのだろうか? と。
なのはにとって翔太は友人であるという事実だけで、何者にも変えがたい存在だ。もしも、彼一人とその他百人とどちらを選ぶか、といわれれば迷わず翔太を選ぶ。彼のためなら何でもしてあげたいと思うし、彼の願いならなんだって叶えてあげようと思う。彼が傍にいてくれるなら。そう、翔太はなのはにとって傍にいてくれるだけで、友達でいてくれるだけで十分な存在なのだ。
だから、なのはからプレゼントを願うことは決してない。だが、それは翔太からのプレゼントが欲しくないという意味と等価であるという意味では
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