空白期(無印〜A's)
第二十三話 裏 前 (アルフ、デビット、なのは)
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サーチャー)を改良して新しく作った魔法だ。サーチャーはなのはの意思で動かさなければならなかった。だからこそ、プレシアに攫われたとき、翔太の家以上に翔太の行方を追うことができなくなっていた。その反省を生かして作った新しい魔法は違う。ただ、翔太のみをターゲットとした魔法であり、翔太を追う様に作ってある。さしずめ、監視魔法というべきだろうか。もっとも、なのはにとっては用途のみが大切であり、名前など決めていないが。
なのはは、ウォッチャーが映し出す映像に翔太の笑顔が浮かび上がることを想像していた。ある意味で言えば、その想像は間違っていなかったのだが、ウォッチャーによって映し出された映像をなのはが受け入れるにはしばらく時間が必要だった。
「………え?」
なのはがようやく色のない声を出せたのは、その映像を見てから数秒の時間を要した後だった。
ウォッチャーが映し出した映像は、確かになのはが想像したとおりに笑顔で誰かと話している映像だった。そう、その程度の映像であれば、なのはがいつも見ていた映像を変わりない。しかし、その映像に映っていた誰かが問題だった。
一人は、長い金髪を持つ親友を自称する女。もう一人は、長い黒髪を持つ吸血鬼だ。
他の翔太の友人ならともかく、その二人だけは許せなかった。一人は、翔太の親友を偽る女だし、もう一人は翔太の血を吸い、傷つけたようなバケモノだ。そして、なにより許せないのは、彼女達がそんな事実を棚に上げて、楽しそうに笑っており、翔太も一緒に笑っていることだった。
そこにいるのはなのはであるはずなのに。そこにいたいのはなのはなのに。それ以外の人物が居座っている事が、なのはの心にドロドロと黒いものを蓄積させていく。同時に、彼が笑っている場所に自分がいないことに怒りがこみ上げ、自分自身でイライラが募る。
その苛立ちを、鬱憤をもてあますなのはを余所にウォッチャーに映し出される翔太たちは、車に乗ったままどこかへと運ばれていたが、やがて、車が止まる。どうやら彼らの目的地に着いたようだった。彼らが車で移動していることから、どうせ塾かどこかだろうと高をくくっていたなのはだったが、実際についた場所を見て、驚くこととなる。
なぜなら、そこは、なのはもテレビでしか見たことないような高級旅館だったからだ。
「なっ!!」
ウォッチャーを介しているとはいえ、それを初めて見たなのはは驚愕する。しかし、それは彼らの目的が旅館だったということではない。翔太と金髪の女とバケモノの目的が旅行だったという一点になのはは驚いていたのだ。そういえば、隣には見知らぬ大人がいる。彼らがこの旅行の保護者なのはなのはにも簡単に想像できた。
楽しそうに荷物を下ろしながら金髪の女や黒髪の吸血鬼と話す
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