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リリカルってなんですか?
空白期(無印〜A's)
第二十三話 裏 前 (アルフ、デビット、なのは)
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、休日に遊びに来たとき程度だろうか。

 それでも、アリサの日頃の会話の中や、その少ない出会いの中で彼が非凡であることは分かっていたつもりだったが、ここまで根回しのような事ができるとは夢にも思わなかった。翔太の外見は小学生なのだから仕方ないだろう。そういえば、昨日は、必死に一緒にお風呂に入るのも嫌がっていたな、と思い出した。

 もしかしたら、一緒に入ったほうが面白かったかと思うと、昨日はアリサの方に味方したほうがよかったのではないか、と少しだけ後悔した。

「それに、サッカーの話ができるのがいい」

「ああ、そういえば、言ってたわね」

 会話の中で出てきたというよりも、あれは、アリサの愚痴ともいうべきだろうか。曰く、彼がサッカーの約束をしてしまい、一緒に帰る事ができなかった、という類の愚痴だ。そのときは、「あんまり束縛すると嫌われるわよ」と言いつけておいたが、アリサの性格からして、それを覚えているのは数日だと確信していたが。

 幸いだったのは、彼が、アリサの我侭というか、気が強い部分を受け流せる程度に大人だったということだろうか。一日、彼の様子を見ていたが、翔太はどうにもアリサを友人というよりも妹のような、年下の手のかかる子どもを見ているような、そんな態度を取っているようにも見える。体はアリサたちと同じようにも関わらず、どうしても彼が年上に見えてしまう事がある。人を見る目は経営者として鍛えてきたつもりだから気のせいではないだろうが。

「それにしても、すずかさんと翔太くんとアリサは友人に恵まれた」

「そうね」

 コクリとお猪口にもう一杯、注がれた日本酒をゆっくり口にしながら感慨深げにデビットが呟くのを梓も手元のお猪口にほんのり残っていた日本酒を一気に飲んだ後、デビットの呟きを肯定した。

 アリサの容姿は殆ど白人と言ってもいいぐらいだ。梓とデビットのダブルであるはずなのだが、目に見える容姿は白人のそれに近く、その事が子ども達に忌避感を感じさせるのだろう。幼稚園時代のアリサにはまったくといっていいほど友達がいなかった。逆にその容姿からいじめられるようなことが多く、泣いているアリサに梓が発破をかけたものだ。もっとも、それが原因であの気の強さが生まれているとするならば、もう少し考えるべきだっただろうか、と梓は今更ながらに思っている。

 それはともかく、小学生になってもアリサは大丈夫だろうか、と心配していたが、そんな心配の中でアリサに友人ができたことは喜ばしいことだった。

 月村すずかと蔵元翔太だ。

 アリサの口から友人と思われる彼らの名前が出てきたときは、思わずアリサを抱きしめてしまうほどの喜んだものだ。しかし、アリサの性格をよく知っている梓は彼らとの友情が簡単に壊れやしないか、と心配したものだが
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