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リリカルってなんですか?
空白期(無印〜A's)
第二十三話 後
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 旅館に着てから一夜が経過していた。

 昨日の夜は、温泉に入った後、部屋で晩御飯を食べた。晩御飯は、山間だからだろう。山の幸が使われた鍋料理だった。外見と内装どおり高級旅館だからか、料理は絶品と言っても過言ではなく、もう二度と食べることはないだろうと味わっておいしくいただいた。

 ご飯を食べ終わった後は、少しゆっくりアリサちゃんたちとお喋りしていたのだが、寝るにはまだ早いという時間帯だったので、旅館にあるという卓球場へと向かうことにした。高級旅館とはいえ、温泉旅館と卓球は切っても切り離せないものだったらしい。そこで展開されたのはすずかちゃん無双だった。今まで忘れていたが、そういえば、彼女は『夜の一族』だ。そのせいで、体力は有り余っているのだろう。まさか、見えないスマッシュを見られるとは夢にも思わなかった。

 そんなこんなで卓球で汗を流し、もう一度温泉に入って、ゆっくりして一日目は終了。寝る前に布団の順番で少しだけもめることになったが、それ以外はつつがなく楽しい一日だった。しかし、なんで僕は女の子に挟まれて寝る羽目になるんだろう。これが中学生や高校生なら大変なことになっただろうが、幸いにして僕達は小学校の低学年だ。何の感慨も生まれることなく、寝る直前の卓球が堪えたのか、すぐに眠ってしまった。

 さて、温泉旅行も二日目だ。

 僕の寝起きは悪いほうではない。すっきり起きれるタイプだ。すずかちゃんも似たようなタイプだったらしく、起きるのに苦労はしていなかったが、アリサちゃんは少しだけ寝起きが悪いのか、五分程度しょぼくれた目をしばしばさせていた。

 朝食は、他の部屋でバイキング形式で食べた。過去にビジネスホテルで同じように朝食をバイキング形式で食べた事があるが、少なくともそこよりも味は段違いだった……と思う。なにせ、もはや記憶の彼方に近いような記憶だ。しかしながら、おいしかったのは事実だ。

 さて、朝食を食べた後、どうするか? という話になった。

「パパもママも行くわよね?」

「パパとママは部屋にいるから、アリサたちだけで行ってきなさい」

 デビットさんの言葉にアリサちゃんは、え〜、というような表情をする。

 今からどうしようか? という話になってアリサちゃんが主張したのは、温泉街に行くことだった。温泉街とっても、温泉が並んでいるだけではなく、お土産屋などが並んでいる商店街のようなものだ。中には、宿無しの温泉だけの施設もあるようだが。温泉旅館がある以上、そこに来るお客さんを見越して店が立つのは当然のことだ。アリサちゃんはそこへ行こうと提案していた。

 僕とすずかちゃんとしてはアリサちゃんの提案に異論はない。むしろ、ここがどんな場所か分からなかったため、下調べもしていない僕達からしてみれ
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