第四十八話 妖神その十九
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「私にその水をだ」
「いいだろう」
「それではだ」
「今から貴様を倒す」
「それでな」
十人の髑髏天使それぞれの口からの言葉だった。そしてそれを発してだった。
彼等は一斉にその両手の剣にだ。あるものを宿らせた。それこそは。
「氷か」
「それか」
「それを使ってか」
「私を倒そうというのだな」
「氷は即ち水だ」
また言う髑髏天使だった。
「それで貴様を倒そう」
「今からな」
「行くぞ」
「ではだ」
「では来るがいい」
「今からな」
神は動くことさえしなかった。彼に合えて攻撃をさせようとさえしていた。それはどの分かれている神も同じだった。そしてだった。
髑髏天使は攻撃をはじめた。両手のその剣を縦横に振るった。
そしてだった。そこから氷の矢を次々に放つのだった。
死神もだ。彼もまた。
大鎌の刃に氷を宿らせた。それで神に攻撃を浴びせる。
だがそれは全てその炎の剣に受けられる。氷と炎がぶつかり蒸気が起こる。何かが溶けるシュウシュウとした音さえ聞こえてくる。
それを続ける。あくまでだった。
矢も突き刺さっていく。しかしそれでもだった。
神はだ。崩れていかない。全く平気な様子であった。
そしてその平気な様子でだ。髑髏天使達に話すのだった。
「さて、この通りだ」
「私は健在だ」
「この通りな」
「わかるな、それは」
「そうだな」
それは髑髏天使も認めた。
「姿形はな」
「その通りだ。私は倒れない」
「姿形はだ」
髑髏天使はこう言うのであった。
「それはだ」
「何が言いたい」
「だからだ。姿形はだ」
「それはだというのか」
「しかしだ」
ここでだった。
「他はどうか」
「どうかとはどういうことだ」
「完璧な存在なぞいない」
これは髑髏天使の考えだった。
「決してな」
「それで氷で倒せるというのか」
「私を」
「それを今から見せてやろう」
言ってだった。髑髏天使も死神もその氷で攻撃を続けていく。
氷はその都度消え蒸気があがる。それが暫く続いた。
しかし神は衰えない。そうして勝ち誇ったような声で言うのだった。
「さて、この通りだ」
「立っているというのだな」
「貴様が」
「そうだ、立っている」
これを言うのだった。
「それが何よりの証だ」
「それはそうだな」
死神がまた言った。
「しかしだ」
「しかしだというのか」
「そうだ。だが」
「だが、か」
「俺は嘘を言わない」
こうも言う髑髏天使だった。
そしてだった。その手に持つ剣を巨大化させた。
剣は一本になりだ。彼の身体の優に十倍はある大きさになった。
それでだった。神達を一閃した。無論そこにも氷を帯びさせている。
その一撃で再び
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