空白期(無印〜A's)
第二十三話 前
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がドアを開けるとドアの向こう側にゴールデンウィークの中では久しぶりに顔を合わせるアリサちゃんが立っていた。
おはよう、とお互いに挨拶を交わす僕とアリサちゃん。昨日までは、魔法に関する事件という非日常の中にどっぷりと浸かっていたというのに、魔法とは関係ないアリサちゃんと平然と挨拶を交わせることに内心で苦笑していた。アリサちゃんと挨拶を交わした後、別に挨拶を交わす相手に少し見上げるような形で目を向ける。その相手は、アリサちゃんよりも一歩後ろに立っていた。
「おはようございます。デビットさん、梓さん」
アリサちゃんの少し後ろに立つ短い髪のアリサちゃんとそっくり―――いや、遺伝的には、こちらがアリサちゃんに伝わった金髪とアメリカ人に見られる白い肌で美青年といえるアリサちゃんのお父さんであるデビット・バニングスさんと一児の母とは思えないほどの若さを保ち、日本人の大半が持っている艶やかな黒髪を流したアリサちゃんのお母さんである梓・バニングスさんだ。
二人との面識は、アリサちゃんの英会話教室で休日に家にお邪魔したときに既にあった。顔を合わせたのは久しぶりだったが、僕が相変わらず小学生には似合わない固い挨拶をしているためか、デビットさんと梓さんはどこか困ったように苦笑していた。
「ああ、おはよう。翔太くん。今日からよろしく頼むよ」
朗らかに笑いながらデビットさんが、僕の頭を撫でるように手の平を頭の上においていた。
デビットさんは、見た目は生粋のアメリカ人ではあるが、日本語も堪能でネイティブと変わらない程度の会話ができる。最初は、僕も片言の英語で挑戦してみたものだが、苦笑と共に「日本語で大丈夫だよ」といわれたものである。
「それと、君の後ろにいるのは、ご両親かな?」
デビットさんに言われて、後ろを振り向いてみると、いつの間に来ていたのか、母さんと親父が立っていた。母さんは、既に梓さんと僕の携帯越しで話した事があるからか、にこやかに笑いながら手を振りあっているが、親父のほうはまるで未確認生命体でも見たかのような衝撃を受けたような表情で固まっている。金魚のように口をパクパクさせながら、まるで信じられないといっているようなものだ。
「……親父、どうしたの?」
さすがに様子がおかしいと思って話しかけたら、突然がしっと首に腕を回され、ヘッドロックのような体勢のまま、ちょっとすいませんね、と一言残して、僕は親父の手によってリビングの影まで連れ去られてしまった。リビングについた親父は僕を解放すると、腰を落として目線を僕に合わせて実に真剣な顔で聞いてきた。
「なあ、あの人は、本当にデビット・バニングスさんで間違いないんだな?」
「うん」
おかしなことを聞く親父だな、と思っていたのもつかの間、な
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