第四十八話 妖神その十六
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そしてそのうえでだ。その両手に何かを出すのであった。それは。
「右手に剣」
「そして左手には鞭か」
「この二つで戦うのが流儀だ」
こう返す神だった。
「私のな」
「そうか。武器を使うか」
「それが貴様の流儀か」
「如何にも。それでは貴様等と同じだ」
二人に対してまた話す。
そしてだった。二人に対して翼で飛び突っ込んできた。
そのうえでだ。その左手の鞭を縦横に振り回してきた。
「来たか」
「まずはそれか」
「一つ言っておく」
神は緑に燃え盛るその鞭を振り回しながら話してきた。
「この鞭はただの鞭ではない」
「確かにな」
「一見すると短い。だが」
「伸びるか」
「そうなるか」
実際にだった。その鞭は縦横に伸びる。二人がかわそうとしてもそれを追ってきてだ。そうして二人に襲い掛かってくるのであった。
しかもその動きはだ。只の鞭のものではなかった。
髑髏天使が左にかわす。するとその左にさらに動いてくるのだ。
「追うか」
「この鞭は私の身体でもある」
「それで自在に動かせるのだな」
「そういうことだ」
こう話す神だった。
「これでわかるな」
「わかりはした」
実際にそうだと話す髑髏天使だった。
「だが、、だ」
「だが、か」
「これだけではどうということはない」
髑髏天使はその攻撃をまたかわしてみせた。
「幾ら来ようともだ」
「そう言えるか」
「所詮鞭は一つ」
髑髏天使は今度は上に飛びかわす。追ってくるがそれも何ともしていなかった。
「それでどうして恐れる必要がある」
「そうだな」
ここで死神も神に言うのだった。
「一つではだ。恐れることはない」
「そうか」
「そういうことだ」
彼は鎌で剣を受けていた。接近戦を挑み攻防となっているのだ。
「違うか、それは」
「如何にもな。それではだな」
「何をするつもりだ」
「それならば」
「一つで駄目ならば増やせばいい」
まさに何でもないといった口調であった。
「それだけだ」
「ならばどうする?」
「増やすというと」
「こうするだけだ」
言ってだった。その瞬間にだった。
神の左右からそれぞれだ。腕が現れたのだった。
四本腕になりそこにそれぞれ剣と鞭を持つ。その姿になったのであった。
「そう来たか」
「その意味で増やしたのか」
「如何にも」
その通りだとだ。神は言葉を返した。
「これでわかったな」
「それで俺達を倒すか」
「四本の腕で」
「一つで駄目ならこうすればいいだけだ」
ここでも何でもないといった口調だった。
「そういうことだ」
「安直だな」
死神がその彼に突っ込みを入れた。
「実にな」
「そうかもな。しかしだ」
「しかしか」
「確実では
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