第四十八話 妖神その十五
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「最早妖魔ではだ」
「相手にならないからだな」
「如何にもだ。それではだ」
「はじめるのだな」
「行くぞ」
こう話してだった。まずは二人からだった。
牧村はその両手を拳にしてそうしてだった。胸の前で打ち合わせた。
死神も右手を拳にして己の胸の前に置く。それによってだった。
それぞれの光が放たれそしてだった。彼等は姿を変えたのだった。
髑髏天使になり戦う姿になった。そのうえでだった。
「行くぞ」
「覚悟はいいな」
髑髏天使は右手を開きそれを己の顔の前で握り締めさせた。死神は右手に持っているその大鎌を一閃させた。そうしてそれぞれ言った。
それからだ。それぞれ六枚翼の黄金の姿。漆黒の姿になってであった。その姿になってそのうえであらためて男に告げたのだった。
「その神を出すのだ」
「今からな」
「いいだろう」
男が応えるとだった。すぐにだった。
緑の火柱が出て来た。男の横にだった。
「トゥールスチャという」
「そうか」
髑髏天使がその火柱の言葉に応えたのだった。
「それが貴様の名前だな」
「そうだ」
「名前はわかった」
「ではだ。いいな」
「私が貴様等の相手をする」
「そうだな。それではな」
「今からだな」
髑髏天使と死神が言う。そしてであった。
二人は空に上がった。神もそれに続いた。
緑の炎はそのままでだ。蝙蝠の翼を持つ人の姿になるのだった。
「ではな」
「去るのだな」
「見させてもらう」
男はその緑の炎の横に来ていた。そのうえで応えるのだった。
「それではな」
「それではか」
「姿は消させてもらう」
それはだというのだ。
「そういうことでだ」
「この戦いの後でだ」
神は姿を消していく男に告げてきた。
「そろそろか」
「いや、まだだ」
「あれはまだか」
「あの四柱はまだだ」
こう神に言うのであった。
「まだ出はしない」
「そうか。まだか」
「まだ少しの時間がかかる」
「残念な話だな」
「しかし確実にだ」
男はここでまた言うのだった。
「その時は来ている」
「そしてだな」
「そしてさらにだ」
それからもあるとだ。男は神に話すのだった。
「その先のだ」
「あの方々もだな」
「出て来られる」
そう話したのだった。
「ではな。私は今はだ」
「見るか」
「貴様の戦いを見せてもらう」
その神への言葉だった。
「それではな」
「楽しむがいい。見てな」
「そうさせてもらう」
こう告げてだ。男は姿を消したのだった。
そしてであった。神は彼だけになるとだ。二人に対して言うのだった。
「それではな」
「はじまるな」
「戦いを」
「そうだ、戦う」
二人とだ。戦うというのだった。
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