第四十八話 妖神その十四
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「それでないと駄目だ」
「ちぇっ、面白くないの」
「では聞くがだ」
「うん
「日本の湯飲みで紅茶を飲めるか」
具体的にこう問う彼だった。
「それはどうだ」
「正直あまりいいものじゃないでしょうね」
「そういうことだ。茶は気分でも飲むものだ」
「気分ね」
「そう、心でも飲むものだ」
そうだというのであった。
「だからだ。わかったな」
「わかったわ。それじゃあね」
「後でいいからな」
「私も後で飲むから」
このことはいいのであった。
「そういうことでね」
「それではだな」
「用意しておくからね」
こんな話をしてだった。牧村はドーナツも楽しんだ。そうしてその日は過ごしたのだった。
その次の日だった。この日は駅にいた。ふと思い立ち電車に乗りたくなったのだ。そして思い立つままある場所に向かうのであった。
そこから住吉大社に向かう。太鼓橋に来た。
かなり上に曲がった独特の橋である。住吉大社の名物である。
その下には池があり亀達がいる。そこに足をかけるとだった。
「ここで戦うぞ」
「ここでか」
「そうだ、ここでだ」
後ろからだ。死神が声をかけてきたのであった。
「わかったな」
「相手はまだ来ていないな」
「そうだね」
今度は目玉だった。彼も出て来たのである。
「けれどわかるよね」
「気配は感じる」
こう返す牧村だった。死神と目玉が彼の左横に来た。
「はっきりとな」
「いるな」
死神は上を見上げた。するとだった。
橋の上にだ。彼がいたのであった。
男は太鼓橋の頂上にいた。そこから二人を見上げて言うのだった。
「髑髏天使よ」
「何だ」
「何故ここに来た」
「たまたまだ」
「たまたまか」
「そうだ、たまたまだ」
こう男に返す。
「ここに来たのはな」
「しかしだな」
「如何にも」
また返す牧村だった。
「俺は何時でも何処でもだ」
「戦うか」
「貴様等がいる限りだ」
男を見上げて。そうして告げるのであった。
「戦わせてもらう」
「わかった。それではだ」
「では今度の相手は誰だ」
死神が男に問うた。
「神だな」
「そうだ。我が同胞だ」
彼等を同胞と呼んでだ。そのうえでの言葉だった。
「また一柱来てもらっている」
「やはりな。最早神でないと我等の相手はか」
「貴様等は強くなってきている」
男は死神に対して言葉を返した。
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