第四十七話 神々その二十一
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「今からな」
「では見るがいい」
「我等がどうして貴様を倒すのかをだ」
「それをだ」
「今見せよう」
二人を乗せたサイドカーはそのまま突き進む。岩は当たりはしない。
そしてだった。距離を詰めた。そこにおいてだった。
二人はだ。同時に動いたのだった。
髑髏天使は右斜め上に、死神は左斜め上にそれぞれ跳んだ。海中をだ。
そしてだった。そこからだった。
それぞれ急降下してだ。一閃したのだった。
「これならばだ」
「どうだ」
攻撃を浴びせてからの言葉だった。髑髏天使は神の左肩から、死神は神の右肩からだ。それぞれ袈裟懸けにしてみせたのだった。
明らかな致命傷だった。それを浴びせてからだった。
二人はだ。また神に告げた。
「これで終わりだな」
「如何に貴様とてな」
「ふむ」
神の返答はまずは落ち着いたものだった。
そしてだ。その声で言うのであった。
「見事だ」
「見事か」
「それは認めるか」
「この攻撃を受ければだ」
さらに言う彼だった。
「我といえどもだ」
「終わったな」
「そうだな」
「そうだ、貴様等の勝ちだ」
まさにその通りだというのである。
「我は敗れた。確かにな」
「そしてだな」
「滅びるか」
「我は滅びる」
神もそれは認めた。
「しかしだ」
「しかしか」
「それでもか」
「そうだ。それでもだ」
赤と青の炎にそれぞれ包まれながらもだ。神はまだ言うのだった。
「貴様達もだ」
「滅びるというのだな」
「そうだな」
「如何にも」
神は二人に答えてきた。
「そうなる」
「貴様等に敗れてか」
「それでだというのだな」
「それは言っておく」
断末魔の中でも言う神だった。
「それはな」
「そしてだ」
「その神はどういった存在だ」
二人はこのことを問うのだった。
「貴様等はだ」
「何だというのだ」
「あらゆるものを混沌の渦の中に入れ」
神は語った。二人に応えてだ。
「そしてその中で破壊するのだ」
「その為に存在している」
「それが貴様等ということか」
「そういうことだ。我等は文明なぞ欲してはいない」
まずはそれを否定した。
「文化も法も秩序もだ」
「この世のあらゆる摂理をか」
「否定して。そして」
「全てを混沌にする」
「それが貴様等だというのだな」
「それはもうわかっていると思うがな」
神は二色の炎に全身を包まれた。その最期の中で話すのだった。
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