第四十七話 神々その十五
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「神であろうとも何であろうともだ」
「戦うならば倒す」
「それだけだ」
「それは言っておこう」
「死神は既に神だ」
男はここでは死神について延べてからにしたのであった。
「そして髑髏天使も天使としては最高位にあるな」
「その通りだ」
「神の相手をするのに相応しいか」
これまでの戦いも思い起こしての言葉だった。
「どちらもな」
「だからか」
「遂に神を出してきた」
「そういうことだな」
「如何にも」
男は悠然として答えてきた。
「その通りだ」
「そうか。そしてだ」
牧村はその男に対してさらに問うた。
「その神は何だ」
「海の神だ」
「海か」
「そうだ、海にいる神だ」
それを聞いてだ。死神が言った。
「ダゴンか」
「知っていたか」
「名前は聞いたことがある。妖魔達の神の一柱だったな」
「私の同胞だ」
男は死神のその言葉を認めてみせた。そうしてであった。
あらためてだ。二人に話すのだった。
「その存在が今ここにいるのだ」
「来るか」
「いよいよ」
ここで牧村も死神も身構えた。まだ変身していないがそれでもだった。
そのうえでだ。男に対して言うのであった。
「では今からか」
「出て来るか」
「来るのだ」
実際にだ。ここで男はその神を呼んだ。
するとだ。彼の後ろに突如として巨大な水柱が起こった。そしてだ。
そこから魚と人を合わせたような、耳まで裂けた口に丸く前についた黒く光のない目を持つ巨人が出て来た。その大きさは優に牧村達の十倍はある。
全身が青緑の鱗に覆われ手には水かきがある。口には牙だ。そんな姿だ。
その不気味な神だが。名乗ってきたのである。
「我が名はダゴン」
「やはりな」
死神がその名乗りを聞いて呟いた。
「貴様がそのダゴンか」
「死神だな」
「如何にも」
その海から響く波の如き声に応えた死神だった。
「私がその死神だ」
「そして横にいるのは髑髏天使だな」
「俺のことを知っているのか」
「我等神は何処にいても全てを見ることができる」
「それが我等だ」
男もここで言ってきた。
「我等は何処にいてもだ。見ることができるのだ」
「神の目は全てを見ることができる」
「だからだ」
こう話す彼等だった。
「貴様のこともわかるのだ」
「そういうことだ」
「そうか」
牧村は彼等のその言葉を聞いても驚く素振りは見せない。ただ受けて応えるだけだった。感情はそこにはなかった。少なくとも驚いたものはだ。
「それはわかった」
「わかったな」
「それで俺のことを知っていたのだな」
「そういうことになる。さて」
その神はあらためて言ってきた。
「どちらが先だ」
「貴様と戦うのはか」
「どちらだというのだな」
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