BFO編ーダブル・マーシャル編ー
32.前兆
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お前」
さっき戦った男が俺に歩み寄ってくる。
「あんたもな」
結局その日は、午後二時くらいまでスグの学校の皆と剣道をやり続けた。
「ふぅ〜、疲れた」
「お疲れ様。今日は、ありがとね、集也くん」
「別にいいよ。スグの頼みなら」
道場を後にし、自転車置き場に向かう時に変な気配を感じた。
「お前が直葉の彼氏か」
その低い声に少々驚いた。俺とスグの前に学生服を着た少し大柄の男が俺の脚を止める。
「だったらどうだってんだよ」
するとそいつは急に拳を握り、俺に振り下ろす。とっさに俺は両腕をクロスし、ガード。
「ほぅ、中々の反応速度だ」
「そりゃどうも。あんたこそ、中々のいかれぐわいだぜ」
男は、拳を引きこちらを見、笑う。そして口を開く。
「決闘だ」
「.....はっ?」
「お前が勝てば、俺は貴様にも直葉にも手を出さん。.......だが、もし貴様が負ければ直葉はもらうぞ」
「なにいってんだ、テメェ!!」
「言ったままだ。怖いのか、逃げるのか」
(何だこのふざけた野郎は!?)
すると男は俺に四角い何かを投げてくる。それをキャッチする。
「これは、ゲーム?」
四角い何かはVRMMOゲーム。
そのパッケージには、《Battlefight Online》と書かれている。
「そのゲームで勝負だ。決戦は明後日の日曜、中央街の《コロッセオ》で待つ。戦う気があるなら来い。逃げるなら好きにするがよい。.....が、逃げれば直葉は......」
「行くに決まってんだろ!テメェが何であれ、スグは誰にも渡さねぇよ!!」
男は、少し笑みを浮かべ俺たちの前から消える。
「あいつは.......いったい?」
すると後ろから肩を叩かれる。するとスグが恐ろしく恐い顔で俺を見ている。
「ア・ツ・ヤ・く・ん!」
「な、何でしょう......直葉様」
「バカぁ!!何であんなこというの!?」
スグが俺の勝手な言動にかなり怒っている。
「いや.......売り言葉に買い言葉で......」
「全く.......」
するとスグは俺に抱きつきながら小さな声で言う。
「勝てるよね.......絶対」
その声から伝わってくるスグの恐怖心を消し去らせるように俺は、スグを抱きしめる。
「当然だ!」
俺は平然を装うが内心は、勝てる気がしていない。その理由は、あいつが渡してきたゲーム。
.......そのゲームを見る限り、その世界には...........
............剣が存在しないのだ。
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