第四十七話 神々その五
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「デザートもありますよ」
「デザート?」
「デザートは何かな」
「うどんの後は」
「おはぎです」
それだというのである。
「餡子をたっぷりと使った」
「いいねえ」
「それとお茶だよね」
「この組み合わせがね」
「シメに来るとね」
「そうじゃな」
博士もおはぎと聞いてだ。満足した顔になっていた。そのうえで言うのだった。
「それでは。最後はそれじゃな」
「勿論牧村さんもね」
「おはぎ食べるよね」
「それも」
「好物だ」
一言で言う彼だった。
「実際にだ」
「そう言うと思ったよ」
「甘いもの大好きだしね」
「だったらおうどんの後も皆で」
「食べようよ」
こんな話をしてだった。彼等は食べるのだった。そうしてである。
博士は食べ終えた後でだ。牧村に話す。周りではたらふく食べた妖怪達が満足している面持ちでそれぞれ横たわっている、その中で話すのだった。
「さて」
「話はまだあるのか」
「あるから話すのじゃ」
まさにそうだというのである。
「それでなのじゃがな」
「妖魔の話か、それとも」
「髑髏天使の話じゃ」
そちらだというのである。
「それじゃがな」
「髑髏天使のか」
「今度はものの形を変えられるようになったな」
「ああ」
博士の言葉にこくりと頷く。その通りだった。
「その通りだ」
「剣を大きくできてサイドカーをスカラベに変えてか」
「それもあの天使の力か」
「その様じゃな。実はわしも知らなかった」
「そうだったのか」
「そうじゃ、知らなかった」
こう牧村に話す博士だった。
「あの天使についてはまだよくわかっておらん」
「力についてか」
「うむ、まだまだ未知の力があるかもな」
「そうなのか」
「ただ全ての力を使えてじゃ」
これまでの天使の力をという意味である。
「そしてものの形を変えられる」
「その他にもか」
「あるかもな。少なくともこれまでの天使達とは違う」
「最高位であるだけに」
「だからこそ違うのじゃ」
まさにそこにあるのだという博士だった。
「あの階級はそこまでのものがあるようじゃ」
「そうか」
「そうじゃ。それでじゃが」
「ああ」
「それだけの力が必要となっておる」
博士の言葉が妙に哲学的な響きを帯びてきた。
「そういうことでもあるな」
「必要にか」
「では今の力は不要か」
牧村自身にも問い返してみせる。
「それはどうなのじゃ」
「一つでも欠ければだ」
「うむ」
「死ぬ」
これが返答だった。
「俺はだ。間違いなく死ぬ」
「そうなるというのじゃな」
「だからだ。必要だ」
「そういうことじゃな」
「そうだ。それでだが」
さらにだ。彼は話した。
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