第四十七話 神々その四
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「その通りだ」
「生きていればまた次もありますし」
「次もか」
「やっぱり命あっての戦いですから」
「だから生きることを選んで正解か」
「その通りです。ただ」
また、だった。ろく子は言葉を付け加えてきたのだった。こう言うのだった。
「それは最後の最後までですよ」
「最後の最後まで」
「はい、全ての戦いが終わりました」
「その時か」
「その時にも生きていないと駄目ですよ」
これがろく子の言いたいことだった。
「絶対に」
「そういうことか」
「戦いが終わっても生きていないと」
「駄目か」
「絶対に駄目です」
ろく子の今の言葉はぴしゃりとしたものだった。
「それでそれからの生活も楽しまないと」
「駄目なのだな」
「ですから。生きて下さい」
またにこやかな優しい声に戻ったろく子だった。
「いいですね」
「わかった。ならだ」
「生きられますね」
「俺は生きる」
このことをだ。また自分の口で言うのだった。
そうしてだ。再び自分の茶碗の中にうどんを入れてだ。食べる。
もうかなり煮ている筈だ。しかしそれでもだった。
「美味いな」
「冷凍うどんのコシは強い」
「だからか」
「左様、だから美味いのじゃ」
こう話す博士だった。
「かなりのう」
「そうだな。冷凍うどんはだからいい」
「これはインスタントラーメンに匹敵する発明品じゃよ」
「そこまでいくか」
「普通にいくじゃろ」
博士も言いながら食べる。
「ここまで美味いのじゃからな」
「そうか」
「さて、それでじゃが」
「それでとは」
「まだあるのじゃ」
言いながらだ。その冷凍うどんの玉を出してきた。見れば数えるのも馬鹿馬鹿しいだけある。
「食べられるかのう」
「楽勝楽勝」
「そうそう」
「僕達にかかればね」
妖怪達は博士に次々に言う。
「食べるの得意だからね」
「うどん大好きだし」
「それならだよ」
「あるだけ食べるから」
「好きなだけね」
「私もいるしね」
二口女がここで出て来た。頭の後ろに方に大きな口がある。
「安心して」
「あっ、そうそう。二口女がいたんだ」
「食べるのなら二口女だよね」
「やっぱりね」
「そうよ。食べるのならね」
実際にこう話す二口女だった。前の口での言葉である。
「もうどれだけでもね」
「頼もしいね、こうした時は」
「本当にね」
妖怪達はその彼女を見て笑顔になっている。
「じゃあ今は」
「あるだけ食べて」
「それでお開きにしようよ」
「最後にはですね」
ろく子も話してきた。
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