SAO編
五十六話 骸骨の刈り手と
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、事ですか……団長……?」
「…………」
「これが伝説の正体だ」
答えず、唯真っ直ぐにキリトだけを見つめるヒースクリフに対し、キリトが答えを述べる。
「この男のHPは、一度も注意域に落ちた事が無いんじゃない。“落ちないようにシステム的に保護されている”んだ。そして不死属性を持つのは、NPCでなきゃゲーム内じゃゲーム管理者以外にはありえない。けど……この世界に管理者は居ないはずだ……唯一人を除けば」
ヒースクリフは答えない。
唯相も変わらず、キリトの事を見つめるだけだ。
キリトは続ける。
「この世界に来てからずっと疑問だったんだ……あいつは今、何処から俺達を見てるんだろう……ってな。けど、簡単な答えを俺達は全員が見逃してた。昔からどんな子供だって学ぶ事さ」
そう、キリトも、その事実はずっと昔に従兄弟と共に居た時に学んだ事なのだ。
「《他人のやっているRPGを横から眺めるほど、詰まらない事は無い》……そうだろう。茅場晶彦」
ボスの居た部屋に、静寂が満ちた……
アスナがゆっくりと前に出る。問う。
「団長……本当……なんですか?」
ヒースクリフはアスナに答えなかった。
代わりにキリトを見て口を開く。
「何故気付いたのか、参考までに教えてもらえるかな?」
「初めにおかしいと思ったのは、例のデュエルの時だ。最後の一瞬だけ、アンタ余りにも早すぎたよ」
「やはりか、あれは私にとっても痛恨事だった。君の動きに圧倒されてしまってね。ついシステムのオーバーアシストを使ってしまったんだよ」
苦笑したように言ったヒースクリフは、周囲に居たプレイヤーたちを見回し、その笑みを堂々とした物に変える。
「予定では九十五層に辿り着くまでは明かさないつもりだったのだが……確かに、私は茅場晶彦だ。付け加えるなら、最上階で君たちを待つはずだったこのゲームの最終ボスでもある」
よろめいたアスナを、キリトが支える。
今この瞬間から、最強と呼ばれた英雄は、最悪の魔王へと変じた。
「趣味が良いとは言えないな……」
「良いシナリオだろう?盛り上がったと思うが……まさかたかが四分の三で本当に看破されてしまうとはな。……君はこの世界でも最大級の不確定因子だと思っていたが、ここまでとは……」
やれやれ。と言った様子で演技っぽく肩をすくめるヒースクリフ。その眼は未だに真っ直ぐキリトを見て居る。
「まぁ、この予想外も、ネットワークRPGの醍醐味と言うべきかな。或いは……」
その時だった。
一人のKoB団員……斧槍《ハルバード》を持った男が、ゆらりと立ちあがり……
「貴様……貴様が……。俺達の忠誠──希望を……よくも……よくも……よくもォォォォォォォォ!!!!!」
それを持って、猛然と撃ちかかっ
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