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SAO─戦士達の物語
SAO編
五十六話 骸骨の刈り手と
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が互いの身体を動かすように立ち回り始める。
その二人の姿に……

『……へへっ……』
 こんな状況だと言うのに、リョウは笑った。
何故だろう。
今キリトの隣にアスナが居る。ただそれだけの光景が、リョウの目にはこの上なく輝かしく映る。

『互いにとってどうしようも無く必要な存在』

 それが今、キリトの隣にいる。
ならば……

『……役目を果たす、か』
 それを守るその手伝いをしてやるのが、兄の務めというやつだろう。

「おぉ……推おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!」

《戦闘咆哮(ハウリング・ウォー)》
 巨大な叫びをあげ、自身と、周囲を鼓舞しながらリョウは側面からボスへと突っ込む。

 負ける気は……しなかった。

────

「ふぅ……ちょいと疲れたな」
 冷裂を杖に立ったリョウが小さく気怠そうにそんな事を呟く。
実際の所、肉体的な疲れ等有る訳も無かったが、精神的に、多少なり疲れた。

 結果から言おう。ボスは何とか撃破出来た。
ただし、一時間の時間と、リョウ達の体力。そして……九人と言う尊い犠牲を払った上で……だが。

『休暇は……終わりだな』
 天井を仰ぎながら、そんな事を思う。
一人も犠牲にしない事が本来理想的なボス攻略で、九人の犠牲が出た……クォーターポイント云々を別にしたとしても、これは行き過ぎだ。
レベル調整など言っている場合でも無い。もっと、強くならねばならない。

『キリトは……?』
 取りあえず今は、最後の最後まであの鎌の攻撃をさばききった弟夫婦に賞賛の言葉を送ってやろうと、リョウは首を回す。
床に座り込む者、倒れて荒い息を吐き続ける者の中で、座り込んでいるひと組の男女を見つけて、ゆっくりと歩き出す……と、

「キリト……?」
 義弟の眼が、何かをじっと見て全く視線を動かそうとしない事に、リョウは気付いた。その視線の先に居るのは、自分と、もう一人立っている唯一の男。ヒースクリフ。
そしてその……──何処か観察する様な瞳を見た瞬間……

「……っ!?」
 強烈な、非常に強烈な“嫌な予勘が、リョウを貫いた。

キリトが、剣を持ち、走り出す──

「ばか……ッ!よせぇ!」
 リョウは叫ぶ。だが、止まらない。
ギルド団員にのみ視線を集中させていたヒースクリフは、突然のキリトの斬撃に反応する事が出来ず……

[Immortal Object]

 「システム的不死」を意味するその紫色の閃光と共に、自身に掛かる絶対的守護の正体を晒す事になった。
駆け寄ったアスナが、ヒースクリフの前に表示されたその文字を見て、戸惑った様な声を上げる。

「どう言う
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