SAO編
五十六話 骸骨の刈り手と
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しろ回復は時間の掛かるポーション類しか無いのだ。
そんなことを考える眼前で、男のHPゲージが黄色の注意域、赤の黄色域となり……
――拍子抜けする程あっさりと、その体が爆散した。
「……wow」
この瞬間、骸骨百足の大鎌は全員の胸中において、絶対に喰らいたくない攻撃ナンバーワンの栄誉を得た。
「う、うわあああぁぁ!!」
何が起きたのか、攻略組と言う一種のトップ集団に属する彼らはそれを理解するまでのスピードが非常に早く。それ故に、混乱も早かった。
前方の壁戦士集団の統率が乱れ、ボスから逃げ出そうと一斉に戦線が下がる。
シュミット達一部のリーダー格が何とか纏めようとしているが、追い付いて居ないようだ。
「っち、面倒くせぇな!」
悪態をつきながらリョウは前に出ようと足に力を込める。
しかしなまじ彼が居たのは戦場の中でも最もボスから離れた一角。既に再び鎌を振り上げている骸骨には割り込めそうも無い。
死と言う名の鎌が再び哀れな一団に振り下ろされ……
集団に直撃する寸前で、真紅の騎士がそれを受け止めた。
「っは……おっさんナイス」
紛れもなく、この面々にとっては英雄の名を冠するであろうその真っ赤な後ろ姿は、化け物の鎌を物ともせずに受け止め、微動だにしない。
聖騎士──ヒースクリフ
あれだけ言うなら、彼は全く持って騎士の名に相応しい。
まぁ実際の騎士の事など知りはしないが。
しかしながら、化け物の動きはこれで終わりという訳ではない。一撃で命を刈り取る鎌を奴は二本も持っている。
案の定、左側の鎌を抑えられたと見るや否や、骸骨は右の鎌を愚かな乱入者を無視して周囲の不特定多数に突き立てようとする。
──しかし奴には残念な事に、英雄の器を持つのは、一人では無い。
「ッラァ!」
「「「おぉっ!!」」」
右の鎌と集団の間に再び割り込む影。こちらは黒のジャケットに、左右それぞれ漆黒と純白の剣を持った二刀流。
黒の剣士──キリト
剣を十字に交錯させ、巨大な鎌を受け止める青年の姿は“英雄”と言うより“勇者”のそれだったが、その勇者の剣は化け物の鎌を押し止められずに押され初めていた。
「オイオイ……格好付けてそれかぁ?」
「ううん!大丈夫!」
突っ込んだ瞬間、真横を白い閃光が駆け抜ける。
そう。問題は無い。
勇者《ヒーロー》には、伴侶《ヒロイン》が付き物だ。
飛び込んだアスナがキリトの構える二本の剣に自身の細剣を押し付け、合わさった二人の筋力値が骨百足の筋力値を超えて……弾いた。
閃光──アスナ
その後の動きも、呼吸も、見事に同様の動きしながらボスの動きを追っている。
同調。
それを言うこと事態が無粋に思えるほどに、まるで二人は、互い
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