第四十六話 形変その十五
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「そうさせてもらう」
「次の戦いにか」
「我等を全て倒したうえで」
「そのうえでか」
「そうだ、戦う」
まさにそうするという彼だった。そしてだ。
さらに倒してだ。遂に彼の周りにいる全ての妖魔を倒した。最後の一体が青い炎の中でこう彼に対して言うのを聞いていた。
「見事だったと言おう」
「そう言うのか」
「そうだ、そう言う」
こう髑髏天使に言うのだった。
「そしてだ」
「そしてか」
「次の戦いに向かうのだな」
「言ったままだ」
「それはわかった」
妖魔は髑髏天使の言葉を受けた。そうしてだった。
「貴様はその戦いでだ」
「何だというのだ」
「死ぬのだな」
「死ぬというのか」
「次の相手は我よりもさらに強くなる」
こう言うのであった。
「そして死ぬのだ」
「残念だが俺はだ」５６
「生きるつもりか」
「少なくとも死ぬつもりはない」
そうだというのだった。
「全くな」
「次の相手は我よりもさらに強い」
「それはわかっている」
「それならば勝てる筈がない」
これが妖魔の主張だった。
「今の貴様ではな」
「今の俺では勝てなくともだ」
だが、だった。髑髏天使はここでこう言ってみせたのだった。
「その時の俺は勝つ」
「今の貴様ではなくか」
「そうだ、その時の俺はだ」
そうだというのである。
「勝つ。必ずだ」
「言うものだな」
「何度も言う。それにだ」
「それにか」
「俺だけではない」
この言葉を言ったその時だった。彼のところに死神が来た。その八本足の機械の馬に乗ってだ。そうしてそこに来たのである。
「この男もいる」
「死神もか」
「そうだ、俺達は一人ではないのだ」
「だから勝つというのか」
「そういうことだ。貴様もそれはわかった筈だな」
「そうだな」
そしてだった。妖魔も彼のその言葉を否定しなかった。
青い炎と完全に一つになりながらもだ。彼は言うのだった。
「二人だな」
「いやいや、違うよ」
目玉も出て来た。そうしての言葉だった。
「二人じゃないよ」
「貴様もか」
「そういうこと」
これが彼の言いたいことだった。
「それはわかっていてね」
「わかっている」
死神も彼に言葉を返した。
「それではだ」
「うん、宜しくね」
「ここでも二人になったな」
そうだというのだった。死神もだ。
「そうだな」
「うん、そうだね」
「ではだ」
死神はだ。髑髏天使に顔を向けてきた。そのうえでだった。
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