第四十六話 形変その十三
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空にまで追ってきた妖魔達にだ。そのまま突っ込んだのだった。
「これならばだ」
「それは」
「虫か」
「それで来るか」
「確かに虫だ」
髑髏天使はその機械の虫の上から妖魔達に答えた。
「しかしだ」
「しかし、か」
「では何だというのだ」
「只の虫ではない」
まずはこう言ってからだった。
「これは天使の虫だ」
「天使のだと!?」
「では貴様のか」
「貴様の虫だというのか」
「如何にも」
その通りだと返しもしてみせる彼だった。
「これはだ。髑髏天使の虫なのだ」
「髑髏天使の」
「それでは」
「この虫で貴様等を倒す」
こう言いながら突き進み続ける。
「ではだ。行くぞ」
「面白い。それならばだ」
「来い」
「来るがいい」
妖魔達はそれぞれの両手を髑髏天使に向けた。そのうえでそこから雷火を繰り出す。まさに雷と火が合さった。その絡み合ったものをだ。
無数のそれが髑髏天使に向かう。しかしだった。
髑髏天使はその両手の剣でだ。全ての雷火を打ち消してみせる。そしてだ。
そのスカラベもだ。雷火を弾き返すのだった。
「通じぬだと」
「我等の力が」
「その虫にはか」
「効かぬというのか」
「俺自身に当たればわからない」
髑髏天使からの言葉だった。
「だが、だ。今はだ」
「その虫にはか」
「効果がないというのか」
「そうだというのか」
「その通りだ。そしてだ」
さらに言う彼だった。
「今の俺にだ。攻撃を当てられるのか」
「それか」
「まずはそれか」
「それをというのか」
「それはどうだ」
また言う髑髏天使だった。
「如何に貴様等の攻撃といえどだ」
「くっ、確かにな」
「速い」
「かなりの速さだ」
妖魔達の声に歯噛みが宿った。虫の速さはかなりのものでだ。妖魔達が取り囲んでそのうえで攻撃を繰り出してもだ。とてもであった。
「これではだ」
「攻撃を当てられはしない」
「我等ですらか」
「まさか」
「そしてだ」
虫は突き進む。そうしてだった。
前にいる妖魔達に体当たりをしてそうして消し飛ばす。青白い炎が次々に沸き起こる。
「この戦いだ」
「何だというのだ」
「今度は」
「もらった」
これが髑髏天使の今の言葉だ。
「完全にだ」
「おのれ、しかしだ」
「数は我等が有利だ」
「それを忘れるな」
妖魔達の言葉はだ。完全に負け惜しみになっていた。
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