第四十六話 形変その十二
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「バイクをね」
「ハーレーか」
「うん、ここに呼んで」
「わかった。それではだ」
死神は念じた。するとだった。
彼の前にあのハーレーが来た。そうしてであった。
目玉がそのハーレーの中に入った。するとだった。
バイクは銀と黒の馬になった。機械の八本足の馬にだ。鬣も銀に輝き目は黒くまさに機械の光を見せている。その機械の馬になったのだ。
その馬がだ。死神に言ってきた。
「乗って」
「これがか」
死神は目玉の言葉を聞きながら馬に告げた。目玉と馬は同じものだった。
「これが私の新しい力か」
「そういうことだよ」
「成程な」
死神はその馬を見ながらまた言った。
「そういうことか」
「乗るよね」
目玉はまた死神に言ってきた。
「やっぱり」
「そうさせてもらう。数が多い」
こう返す死神だった。
「すぐに倒すにはだ」
「馬に乗った方がいいよね」
「騎馬は歩兵に勝る」
古来の戦争の常識の一つである。騎馬を使うことにより他国を圧倒した国家は多い。その代表があのモンゴル帝国なのである。
「だからな」
「そうだね。それじゃあ」
「行くとするか」
また言う彼だった。
「それではだ」
「そういうことだね」
「行くぞ」
死神は馬に飛び乗った。鞍も鐙も手綱もない。だがそういったものは全て不要だった。
八本足の馬となった目玉にだ。こう言うのであった。
「頼んだぞ」
「任せて。それじゃあね」
彼等は戦場を駆けはじめた。死神は両手に持つ大鎌を右に左に振るう。それによって妖魔達を次々に屠り赤い炎に変えていった。
そしてだ。髑髏天使もだった。
今は六枚羽根の黄金の天使の姿で両手に剣を持ち戦っている。その時だった。
死神を見てだ。彼は言った。
「面白いことになっているな」
「そうだな。確かにな」
「それはその通りだ」
妖魔達も彼の言葉に同意してきた。
「ああしたことができるとはな」
「あれが死神の新たな力か」
「実に面白い」
「全くだ」
「あの男にはできる」
牧村はここでまた言った。
「では。俺はどうなのだ」
「貴様はか」
「貴様はどうだというのだな」
「そうだ。俺はできるのか」
自分自身への問いであった。
「それを見てみたいものだ」
「そして勝つつもりか」
「我等に対して」
「力はこの場合は使う為にあるものだ」
そうだと。妖魔に返す髑髏天使だった。
「だからだ。そうさせてもらおう」
「では貴様もか」
「機械をか」
「持って来るのか」
「この通りだ」
言うとであった。地上にいて妖魔に囲まれている彼の頭上からだ。あのサイドカーが飛んで来たのであった。そうしてであった。
サイドカーは流星を思わせる速さで彼の前に降り立って停まっ
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