SAO編
五十五話 出陣
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ヒースクリフによると、七十五層のフィールドマッピングは二週間と言う時間を掛けたものの犠牲者無しで終わったらしい。
しかし、以前説明したクォーターポイントの特性もあって相当の苦戦が容易に予想できたボス戦に関しては、慎重に慎重を心掛けなければならないと言うのが攻略組全体としての共通認識だったため、KoB、DDAを中心とする攻略ギルドが合同偵察部隊を結成。20人と言う大人数をもって偵察を行った。結果……
ボス部屋に突入した十人は、外部待機をしていた十人を残し、全滅した。
十人が突入した瞬間、ボス部屋の扉が閉じて何をしても開かなくなったらしい。そのためボス自体の戦闘に置ける情報はゼロのままだ。
しかも脱出していない所を見るに、またしても結晶無効化空間である可能性が高い……
「いよいよ本格的なデスゲームになってきたわけだ……」
そう言ったキリトの言葉には、リョウも心底頷きたかったが止めておく。
外から助けが来ない以上、何か壁になろうが進むしかない。
そんなもの、とっくの昔に分かっていた事だし、どうこう言った所でどうにもならない。
結局、その日の午後一時、三時間後に、第七十五層フロアボス攻略作戦は決行される事となった。
────
「後一時間か……」
アルゲードのゲート門広場で、リョウは座り込んで考える。
ボス攻略と言う事もあり、取りあえず足りないアイテムがあってはいけないのでポーション類の買い足しに来たのだ。
一度はエギルの店に行ったのだが……
「定休日って……嘘付くなよ」
店の前には、定休日と書かれた札が掛っていた。
まぁそれがそのままの意味では無く、エギルもボス戦に参加するゆえの建前だと言うのはリョウにも分かる(そもそもエギルの店に定休日は無い)
「まぁ他の店でも買えはすっから良いけどよ」
結局、ポーション類は他の店で買ったため支障はない。
ボス戦……否、死闘開始まで後一時間。どう過ごしたものか……
「あぁ、そういや昼飯……」
今日の昼ご飯は、サチが作ってくれた軽食のサンドウィッチだった。
渡された包みをオブジェクト化させ、リョウはパンっと両手を合わせる。
「いっただっきます」
何か……肉だか魚だかが挟まれたサンドウィッチを食む。肉だ。スパイシーでピリッと辛く、それが更なる食欲をそそる。美味い。
『彼奴日に日に料理の腕上げてねぇか?』
同居人としては嬉しい限りだが、リョウとしてもこれ以上サチに胃袋を握られると……
「って今更か」
いずれにしたって今更サチの料理から離れられる訳が無い。考えたって無駄だ。
「ふぅ……」
こうして座り込んでいると、この世界は何時まで続くのだろう。等と下らない事をついつい考えてしまう。
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