第四十六話 形変その十
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二人のバイクが宙を舞った。そのまま空を飛んでだ。鶴見緑地に一直線に向かったのだった。
そこに着くとだ。もういたのだった。
男はだ。髑髏天使達を見てすぐに言ってきた。
「今日は気が早いな」
「そう思うか」
「既に戦う姿になっているからな」
だからだというのだ。
「気が早いものだ」
「そう思うか」
「だがそれがいい」
そしてだ。男はこうも言った。
「すぐに戦いに入られる」
「でははじめるのだな」
「如何にも。既に妖魔は用意してある」
彼の方も抜かりはなかった。
「それではだ」
「さて、と」
目玉の言葉である。
「今度の妖魔はどんな奴かな」
「少なくともだ」
死神がその彼に応えて述べる。
「尋常な相手ではない」
「それは間違いないんだね」
「確実に言える」
そこまでだというのである。
「次の相手もだ。そうだ」
「まあそうだね」
目玉もそれは否定しなかった。
「いつものことだしね」
「そうだ。そして次の相手は何だ」
「フサッグァ」
男の言葉と共にだ。青みがかった巨大な稲妻が出て来た。
それはやがて人の形になった。それが出て来たのである。
「これがこの者の名前だ」
「そうか」
「それがか」
二人もそれを聞いて話した。
「それではだ」
「戦うとするか」
「気が早いな」
男は二人の言葉を聞いて述べた。
「もうなのか」
「気が乗っている」
「そういうことだ」
こう返す彼等だった。そうしてだった。
それぞれ身構える。それを見てだった。
男はだ。また話した。
「それではだ」
「来るか」
「そうするのだな」
「それではだ」
男は彼等の言葉を聞いてだ・ここでも姿を消すのだった。
黒い霧となり姿を消してだ。それでも言うのだった。
「さて」
「何だ」
「まだ言うことがあるのか」
「ここでも見させてもらおう」
これが彼の言葉だった。消えていく中のだ。
「貴様等の戦いをな」
「そうしたければそうするといい」
「好きなだけな」
二人は素っ気無く返した。
「しかしだ。何時かはだ」
「倒す」
二人はその黒い霧を見据えて告げた。
「貴様もだ」
「そうさせてもらうぞ」
「そう思いたいなら思うといい」
「思うのはいいか」
「そう言うのだな」
「そうだ」
こう返すのだった。男の声はだ。
「そういうことだ。それではだ」
「その時は必ず来る」
「貴様が倒れる時がな」
男は完全に消えた。そうしてだった。
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