SAO編
五十四話 釣りは待つが肝
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出す!
足技 重単発技 車蹴り
吹き飛ばされ、更に巨魚の身体が湖から遠ざかる。
彼方も正直かなりの鈍足だし、横倒しにしてしまえば直ぐには起きて来ない。巨魚の残りHPは既に三割。足技だけでも充分に倒せる相手だ。
しかし相手も唯やられているばかりで居るつもりは無いらしい。
車蹴りで吹き飛ばされた身体が、シーラカンスの様な足を地面にこすらせ、土煙を上げながら急停止らする。そうして息を吸い込むように大きく身体を仰け反らせると……
「おぉ!?」
口から大きな水の弾を吐き出して来た。
それだけでも直径一メートルは有り、楕円形になって此方に真っ直ぐ飛んでくる。
「にゃろ……うわっぷ!?」
防御しようと両手で顔をかばい……ものの見事に顔面にクリーンヒットする。が……
「きったねぇな……」
たいしたダメージは無い。
HPも一割も減らないらしかった。
「んじゃ、お返しだ!」
立ち直り、一気に低空跳躍で接近。巨魚の真下に潜りこむと……
「ふっ飛べ!」
真上に蹴りあげ、何とか立ち上がった魚の顎(?)を蹴りあげる。
足技 重単発技 柱脚《ちゅうきゃく》
頭の部分を強烈な力で跳ね上げられた巨魚は、
そのまま空中で一回転。腹を上にしてひっくり返ると、そのまま再び横倒しになった。HPは残り一割
即座に地を蹴って空中へと身体を跳ね上げ……
「ラストォ!」
空中で縦に一回転しつつ振り上げた足の踵を魚の鰓。
人間で言うなら首にでも当るであろう位置めがけて振り下ろした。
足技 重単発技 飛脚《ひきゃく》斬首《ざんしゅ》
通常のモンスターで有れば首が砕け散っていたであろう空中からの踵落としが魚の表面にめり込んだ瞬間、巨魚の身体は粉々の光の粒となって砕け散った。
────
「いやぁ……楽しかったな」
「まぁ……良い運動にはなったか」
「それで済ませる辺りリョウってタフだよね」
「あははは……昔から元気だけが取り柄だったもんね、リョウ」
「おいこら待てどういう意味だサチてめぇコラ」
「いや事実だろ」
「よーしお前等そこになおれ」
その日の帰り。
既に日も沈みかけ、夕陽の赤い光が差し込む中リョウ達は歩いていた。
あの後ニシダ達と釣りにいそしむ事になり、男性陣は今までの分を取り戻すかのように大量だった。これからアスナ達の家で、その魚をフルコースにして食事会だ。
「アスナ、俺、刺身頼むな」
「はいはい」
キリトがアスナに腹を押さえながら首を向け、アスナがそれに笑顔で返す。
「サチ、俺は──」
「味噌煮?「……正解」ふふふ……」
クスクスと笑うサチに、アスナが感心したように声をかける。
「凄いね……サチ、リョウが何言うか知ってた
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