暁 〜小説投稿サイト〜
髑髏天使
第四十五話 新生その十八
[2/2]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
れで去るとしよう」
「死ぬか」
「そうさせてもらう。それではだ」
 最後にこう言ってであった。妖魔は赤い炎に包まれそのうえで消えた。後に残った死神、そして髑髏天使は地上に降り立ちそれから元の姿に戻った。そうしてであった。
 牧村がだ。死神に対して言ったのだった。
「今の力がか」
「私の新たな力だな」
「秩序の力だな」
「そう、そしてそれはだ」
「混沌を消し去る力か」
「私の場合は刈ると言った方がいいか」
 死神はここでこの表現を使ってみせた。
「むしろな」
「刈る、か」
「私の鎌は命を刈るものだな」
「そうだな。確かにな」
「だからだ」
 また言う死神だった。
「刈る。そうなるな」
「だからか」
「そういうことだ。さて」
 ここまで話してであった。死神はこんなことを言ってきたのであった。
「私の呼び名だが」
「秩序の力も手に入れたな」
「だが。死の力も備わっている」
 これは最初からだった。このことにも言及してみせたのだ。
「だからだ。呼び名はこのままでいい」
「死神でか」
「そうだ、それでいい」
 こう牧村に話すのだった。
「それでな」
「そうか。それではだ」
「死神と。今まで通り呼んでくれるな」
「そうさせてもらう」
 牧村は彼のその言葉を受けた。そのうえでの言葉だった。
「では死神よ」
「うむ」
「また会おう」
 牧村は実際にその呼び名で呼んでみせた。
「次の戦いの時にだ」
「そうだな。それでは今はだ」
「元の世界に帰るか」
「私の元の世界にな」
 まさにそこにだというのであった。
「そして休むとしよう」
「そうするか」
「そして次の戦いにはだ」 
 戦いのことにもだ。言及したのだった。
「貴様の力も見せてもらおう」
「俺の力は既に見せているが」
「いや、まだ全てではない」
「全てではか」
「最高位の天使の力はその程度ではない」
「ではまだ隠された力があるのだな」
「そうだ、まだある」
 彼はまた言った。
「だからだ。見せてもらう」
「そうか。ならばだ」
「見せてもらえるな」
「その時が来ればな」
 こう返した牧村だった。
「ではな」
「そうか、わかった」
「ではまた会おう」
 彼はサイドカーに乗った。そうして実際に帰るのだった。
 それでこの話は終わった。だがそれはまた次の戦いへの休息に過ぎなかった。そのあらたな戦いはだ。既にはじまっているとも言えた。


第四十五話   完


                2010・10・8
[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ